11月14日、バーナビー市のBCIT、Sportsplexで、第16回佐藤杯空手道大会が開催された。海外からはハワイ、インド、ポルトガル、ドイツ、バーミューダー、日本、そしてカナダ国内からはケベック、ハイダグアイなど20団体、250人の選手が参加する国際大会。今年は、糸東流正晃会代表の佐藤義晃さんが、バンクーバーで空手を教えはじめて45周年という節目の年ともあって、来賓の方も多く、また、伝統の勇壮な沖縄太鼓の演奏も加わり盛大な大会であった。

 

じっと待つことを学び、忍耐力が鍛えられていく

 

45年前、バンクーバーの小さな公園の片隅から始まった

 佐藤さんが、バンクーバーへ初めて来ていたとき、ストレッチのつもりで公園内で体を動かしていたら、30人近くの人が集まり、興味深く見ていた。その中にバンクーバー・コミュニティ・カレッジ(VCC)のステューデントカウンセラーのフィル・ランキンさんがいて、「空手を教えないか」という話から、「糸東流正晃会空手道の道場」が始まった。その後、入門者も増えていき、指導者も育ち、BC州から北アメリカ、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジア、アフリカ、南アフリカ、日本などの世界各地に道場が開設され、佐藤義晃師範は、71才の歳にして、世界各地の道場へ指導に出かけている。そのタフネスぶりには師弟たちも驚くばかりだ。

 

2020年の東京オリンピックに、空手がノミネートされた…

 今回の佐藤カップに来賓として出席していた在バンクーバー日本国総領事館の岡田誠司総領事は、あいさつの中で「2020年の東京オリンピックの追加競技種目に空手がノミネートされているが、これが決定すると、指導者としての佐藤先生は、さらに忙しくなられるだろう…」と述べていたが、来年6月の発表が注目される。

 オリンピック競技となった場合、勝ち負けばかりが注視されることへの懸念もあるが、元来、糸東流正晃会空手道は、「勝つことよりも、負けない忍耐力を鍛える」「礼儀作法」「やさしさの尊さ」、こうした精神性を重んじた指導方針に変わりはないという。これはまさしく日本文化の根幹であり、世界各地の門下生に理解され、浸透してきている。

 「佐藤カップ」の採点ポイントにも、もちろんそうした要素をとり入れ、2015年の表彰者は次のとおりの結果となった。

(取材 笹川 守)

 

●Sportsmanship … Omatsu Nanako

●Masters Grand Champion … Tippenhauer Roy

●Junior Girls Grand Champion … Del Rosairo Amelie

●Junior Boys Grand Champion … Smith Takeshi

●Men's Grand Champion … Matsuda Yuji

●Women's Grand Champion … Laos - Loo Nia

 

特別出演の沖縄太鼓の勇壮な演技

「佐藤カップ」の翌日11月15日行われた45周年祝賀パーティで挨拶をする佐藤義晃師範

来賓として出席の在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏夫妻。マート堀田会長の説明を熱心に聞き入っていた

 

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