夏の終わりを飾る日本のお祭り！

バーナビー市の日系祭り2015

今年で第３回目を迎える日系プレース基金の「日系祭り：日系の心」が９月５、６日の２日間開催された。メトロバンクーバーの中心、バーナビー市にある日系文化センター・博物館に今年も450人以上のボランティアやスタッフが集まり、家族で楽しめる本格的な日本祭りを演出した。初日はステージの座席が足りないぐらいにぎわい、予想通りの大盛況となり、今年も両日合わせて約１万1000人が参加した。

晴天下の日系文化センター・博物館

「はっぴ」を着てお祭り気分

　初日は晴天に恵まれ、笛や太鼓の音色が聞こえる場内に来場者が続々と集まった。神輿の楽一による獅子舞のオープニングが終ると、先住民代表のサム・ジョージさんが登場した。素晴らしい声で祭りの成功を願ったウェルカムソングを披露した。

　冒頭の挨拶で日系センター事務局長のロジャー・レミレー氏と副・実行委員長のルイーズ・阿久沢さんが子供からシニアまでお祭りを十分に楽しんでほしいと話した。在バンクーバー日本国総領事の岡田誠司氏は、「去年の来場者は１万２千人以上で、今年はもっと増えて２万人近くなるかもしれないと噂されています。日本からの三味線など、パフォーマンスも十分に楽しめます」と語った。今年はバーナビー市と釧路市の姉妹都市50周年記念で、現在デレク・コリガン・バーナビー市長ら６人が釧路市に特別招待されている。ビデオ挨拶に加え、市長代理のサブ・ダリワル氏、G&F Financial Groupのジル・シャーウッドさんらが日系祭りの開催を祝福した。オープニングの最後は鏡割りが行われ、お祭り情緒をいっそう盛り上げた。

プロ共演の豪華イベント

　去年も大好評だったメインゲストの津軽三味線演奏者、山口ひろしさん。こきりこ節、りんご節、津軽じょんから節など見事な三味線に多くの観客が聴き入った。ソロ以外にも、ブラジル音楽のギタリストである中島有二郎さんとのデュオのボサノバや、岡田総領事（シンセサイザー・サックス）が加わったトリオにも大きな拍手がわいた。手拍子の後アンコールがあるぐらい大勢の人が楽しんでいた。

　３時になると俳優、テツロウ・シゲマツさんが舞台に登場。どこか侍の雰囲気があるシゲマツさんは映画『ゴジラ』など数多くの映画や舞台、また最近は映画監督としても活躍中。アニメ・コスプレショーが始まる頃、野外ステージでも赤鬼が暴れる迫力満点の山椒太皷、男性陣総出の神輿の後、着物姿の女性たちによる盆踊りなどが行われた。夕方になってからも合唱、フラダンス、三味線やタレントショーの準決勝など見所が多かった。

　２日目は、日本の福岡から来加したソウル・スプラッシュ・クルーと、昨年のタレントショーの優勝者AC ボニファシオさんなど、ダンスのステージが目を引いた。例年人気のある柔道、空手、剣道、合気道、少林寺拳法などの武道のデモンストレーション以外にも、チビ太鼓や沖縄太鼓、琴、日本舞踊、ファッションショーなどが繰り広げられた。ステージは両日ともに充実した内容であった。

サービスいっぱいのおもてなし

　会場の２階の古本市には朝早くから漫画などを買い求める多数の人でにぎわった。ハロー・キティの砂絵ワークショップ、折り紙、酒テイスティング＆セミナーなども設けられていた。ロビーには子供向けゲームコーナーとして、スーパーボールすくい、輪投げ、ゴルフ、わたがし、かき氷など、ゲームやお菓子、景品がそろっていた。

　またステージ近くのホールではお菓子、ハローキティグッズ、和服、小物、ジュエリーなどのお店が並んだ。書道で名前を書いてもらうコーナーも見られた。新設の「ようこそ日本！」観光ブースでは、ライバルと思われるJALとANAが同席していた。バンクーバー・東京間のニュースとして、ANAは映画『スター・ウォーズ』の人気キャラクターを描いた新デザイン『R2D2ジェット』機を、JALはニューヨーク・ロンドン間と同サイズの広めのシート導入をそれぞれ宣伝し、２社のグッズがあっという間になくなった。

　気になる食べ物だが、屋外の日系ガーデンではたこ焼き、ホットドック、ラーメン、お好み焼き、焼きそば、すし、クレープ、ポテトフライ、たいやきなどのフード屋台と、夏を演出するために特別設置されたビアガーデンが来場者を喜ばせた。どのブースも連日人がいっぱいでランチタイム前には長い行列ができていた。いろいろ食べていた女子学生グループのオススメは、お好み焼きといちごのクレープだった。

　お祭り後半は、日本往復航空券など豪華賞品が当たるラッフルチケットの当選者発表と大イベントの「祭りスター・タレントサーチ」の優勝者の発表があった。今年の優勝はヨーヨー・パフォーマーのHarrison Lee君。「寝ている時と食べている時以外はヨーヨーをしている」と自称する彼は初めての優勝に大喜びだった。クロージングではロジャー・レミレーさんと実行委員長の五明明子さんがボランティア、スポンサー、来場者に感謝の言葉を述べ、来年もまたお越し下さいと締めくくった。

　日本のお祭りをカナダの全ての人たちに知ってもらおうと始まった日系祭り。夏を締めくくる日本のお祭り第３回は大成功で幕を閉じた。　　　

（取材　ジェナ・パーク）