「バンクーバー朝日軍」メダル授与式
8月10日、スコシアバンク・フィールド・ナット・ベイリー・スタジアムでVancouver Canadians VS Everett Aquasoxの試合が行われた。「BC Sports Hall of Fame Medal Presentation to families of the Vancouver Asahi」として2005年にブリティッシュコロンビアのスポーツ界に殿堂入りをした伝説の日系野球チーム、バンクーバー朝日軍(1914年結成)。この日の試合開始前、朝日軍選手らへのメダル授与式があった。各選手の親族が、今は亡き選手の代理としてメダルを受け取った。
メダルが授与された朝日軍選手の親族ら
メダルは以下9名の選手の親族に渡された。
Kenichi Doi (Pitcher 1926)
Junji George Ito (3rd Baseman 1918-1926)
Ed Nakamura (Outfielder 1933,1938-1941,1943)
John Nihei (Catcher outfirlder 1919-1923)
Ken Suzuki (Outfielder 1915-1918)
Mickey Terakita (Pitcher 1929-1930)
Otto Yanagisawa (Right Fielder 1937)
Happy Yoshioka (Pitcher 1915-1921)
Tom Sutejiro Yoshioka (Infielder 1923-1924)
メダル授与式にあたり、オットー・ヤナギサワ選手の息子 ヒロ・ヤナギサワ氏は「本来であれば父本人が受け取るべきメダルであるが、残念ながら父は1992年に他界した。その父に代わり、このメダルを受け取ることを本当に光栄に思う」と語った。
メダル授与式後の始球式では当時のバンクーバー朝日軍唯一の生存者であるケイ上西(上西功一)氏がバンクーバー・パークス・ボード のジョン・C・クーパー氏と共に行った。
始球式を前に上西氏は「バンクーバー朝日軍のことは、この国にいる子どもでも知らないし、親が昔苦労をしていた頃の話を伝えていないこともある。(朝日軍のことがようやく知られるようになって)少しでもわかってくれるようになったと思っている。バンクーバー新朝日軍のチームができて、孫のように思えて嬉しい」、また新朝日軍へのメッセージとして「昔の朝日軍は礼儀よく、スポーツマンシップということを一番に考えて色々文句を言わずにやってきたので、今の新朝日軍もスポーツマンシップを忘れずに励んでいってほしい」と挨拶した。
また当日、父親であるケイ上西氏と共に会場に来た息子のエド上西氏は「現在カルガリーに住んでいて、カムループスに住む父と共にこのメダル授与式、始球式のためバンクーバーを訪れた。父のことをとても誇りに思うし、長いこと知られることのなかったバンクーバー朝日軍のことが、今ようやく皆に知られるようになって、沢山の人が球場にかけつけてくれた事を嬉しく思う」と語った。
(取材 今井まき)
メダルを受け取るジュンジ・ジョージ・イトウ選手の息子 ロバート・イトウ氏
メダルを受け取るオットー・ヤナギサワ選手の息子ヒロ・ヤナギサワ氏
メダルが授与された朝日軍選手の親族ら
左からケイ上西氏、バンクーバーカナディアンズのジョナサン・ハリス選手、エド上西氏
試合を観戦する新朝日軍の選手達