平成27年度 春の叙勲

ドナルド・キャンベル氏に旭日重光章

 総領事公邸で叙勲祝賀レセプション開催

 

日本とカナダ間の政治・経済分野における交流及び相互理解の促進に寄与した功労により旭日重光章を受章したドナルド・キャンベル氏(74)の叙勲祝賀レセプションが5月14日、在バンクーバー日本国総領事岡田誠司・寧子夫妻主催により総領事公邸で開かれた。 キャンベル氏は長年にわたり交流のある元外交官ほかビジネス関係者など約40人の出席者とともに食事とハープの演奏を楽しみ、和やかに受章を祝った。

 

平成27年度旭日重光章(Rising Sun, Gold and Silver Star)を受章したドナルド・キャンベル氏(右)と在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏と寧子夫人

 

草の根外交にも力を

 晴天に恵まれたこの日のレセプションは公邸の庭で行われ、キャサリン夫人とともに皇居での重光章勲章伝達式に出席してカナダに戻ったばかりのドナルト・キャンベル氏を岡田総領事が紹介した。

 「キャンベル氏は、駐日カナダ大使を務めた1993年から1997年の間に、二国間の経済関係の活性化と自由貿易促進を提唱され、まもなく日加経済連携協定交渉が開始されました。2003年から2006年までは日加フォーラムのカナダ側座長を努め、その報告書の最初に提唱した天皇皇后両陛下のカナダご訪問が2009年に実現しました。

 55か所の日本の都市を訪問して姉妹都市関係の維持に尽くしたほか、仙台、札幌などにカナダ名誉総領事ポストの新設を行い、カナダからの参加者増加のためJETプログラムにも力を入れるなど草の根的外交を大切にしました」と述べ、二国間のために貢献した人の叙勲をお祝いできることは、総領事としてとても光栄なことだと挨拶した。

 

二国間がともに働きかけ

 キャンベル氏は、「私が日本に赴任したのはバブル経済が弾けた後で、難しい時期でもありました。そんな中、友好・経済関係は二国間が共に働きかけなければならないことを念頭に置き、多くの人や企業のみなさんと素晴らしい関係を築くことができました。

 皇居での伝達式に出席し、あらためて日本が伝統を大切にする国家であることを認識してきました。和歌山県では高野山開創1200年記念大法会に参加し、有意義な旅でもありました」とスピーチした。

 キャンベル氏は2007年より法律事務所デイヴィスLLP(現DLA Piper(Canada) LLP)でシニア・ストラテジー・アドバイザーとして、日系カナダ人やBC州に投資する日系企業との関係に従事している。

 アジア太平洋財団代表のスチュワート・ベック氏が乾杯の挨拶をしたあとは、大竹香織さんによるハープ演奏へと続き、特に大竹さん編曲による『花は咲く』では、その美しい旋律に大きな拍手が沸いた。

 

ドナルド・ウィルフレッド・ キャンベル(74歳): 元駐日カナダ大使(1993-1997)、元カナダ外務省外務次官、元日加フォーラムカナダ側座長(2003-2006)などを歴任。アジア太平洋財団評議員、アルバータ大学高円宮殿下日本カナダ記念基金会長。現在は弁護士事務所DLA Piper LLPでシニア・ストラテジー・アドバイザー。

 

旭日重光章

旭日重光章、賞状

(右から)ドナルド・キャンベル氏とキャサリン夫人、カナダ大使館時代の友人ラッセル・マーク(元参事官)と京子(元大使館秘書)夫妻。京子さんは「週に1度は私たちの部署にいらして話をしてくれて、とても素敵な大使でした」と話している

キャンベル氏(左)とハーブ奏者、大竹香織さん(右)

青空の下、総領事公邸の庭で開かれたレセプション。 大竹香織さんによるハープ演奏を聴きながらの夕食会

 

(取材 ルイーズ阿久沢)

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