お話発表会
2月22日、バンクーバー日本語学校並びに日系人会館において、JALTA日本語教育振興会の主催によるお話発表会が開催された。JALTAの加盟校に通う生徒たちが、日本語での発表を行い、日本語学習の意欲を高め、向上心を盛り立てることを目的としている。今年は、28名の生徒が参加。どの生徒も一生懸命練習をしてきた成果を発揮して、しっかりと発表していた。
発表が終わって、ほっとした様子の生徒たち
小学科21人の様々な内容の発表
今回のお話発表会には、在バンクーバー日本国総領事館から、内田晃首席領事と富義之領事が来賓として招かれた。冒頭のあいさつで内田首席領事は、言語を学ぶためには何回も練習を重ねることが大切として、英語だけでなく日本語も習得しようとしている生徒たちがこれからも勉強を続けていくことを期待したいと述べた。
小学科の生徒の発表では、日本に行った時の思い出、これから日本を訪れる期待と不安、好きな習い事についてや、創作の物語など、多岐にわたった内容が披露された。原稿は見ずに暗記したものを大勢の前で発表することは、大人でもかなりのプレッシャーだが、どの生徒も、ものおじせずに発表していたのが印象的だった。題材についてきちんと調べて自分の意見をはっきりと述べる生徒や、身振り手振りを加えて楽しく発表する生徒もいて、観衆の興味をひいていた。
来賓を代表して挨拶をした在バンクーバー日本国総領事館の内田晃首席領事
基礎科と中・高等科の堂々たる発表
続いてステージに上がったのは基礎科で学ぶ4人の生徒たち。基礎科は、家庭で日本語を話さない環境にいる生徒が中心のクラスだ。4人とも、ややたどたどしいながらも、しっかりときちんとした日本語を話すようにしており、日ごろから熱心に勉強に取り組んでいる様子がうかがわれた。
最後に中・高等科から3人の生徒が発表した。日本の良い点、日本の小学校に通ったときの遠足の思い出、日本に住んでいた頃の友達についてなど、日本についての題材ばかり。長く日本語の勉強を続けていくには、日本の文化やものごとなどに興味を持ち続け、日本とのつながりを保ち続けることも大切な要素だと感じた。
全員の発表が終わった後は、JALTAの馬目公三会長による閉会のあいさつがあり、JALTAでは日本語教育の振興、日本語教師の育成、日本語教材の開発に力を入れて活動していることを説明した。発表した生徒たちには、ここまで続けてきた日本語の勉強をあきらめずにこれからも続けていってほしいと激励した。
締めくくりは、劇団「座・だいこん」による、とんちの利いた短編劇、「吉四六さん・ねずみのほりもの」が上演された。
JALTA日本語教育振興会の馬目公三会長
「座・だいこん」による「吉四六さん・ねずみのほりもの」
(取材 大島多紀子)