岡田誠司総領事に、各学生が日本語で自己紹介

 

日本での企業研修

同プログラムは、カナダの優秀な学生と日本の産業・企業とのパイプ役を担うインターンシップ・プログラムで、1991 年の開始から今年で23 年目。これまでに約900人が参加している。 日本の受け入れ企業では研修手当てが支給されるほか、研修経験が所属大学での単位取得に認められることが学生にとって魅力のひとつ。 今回参加の学生は工学部(電気、機械、土木、化学など)や理系(コンピューターサイエンス、化学、物理、生物、微生物学など)専攻の大学3、4年生。研修先は研究開発(NTT、ホンダ・リサーチ・インスティテュート、花王)、製造業(JEFスチール株式会社、アズビル株式会社(旧社名:山武)、福井鋲螺株式会社ほか)などで、採用期間は4カ月、8カ月、12カ月とさまざまだ。

元BC州日加協会会長のラッセル・マーク氏(左)の話に聞き入る学生たち

 

『鍵』となる人たち

壮行会では同プログラムのディレクターのジェニー・レイ リー氏が「日本企業で実務経験を積むだけでなく、カナダに戻ってからも専門分野での学習と研究をさらに高めるよう躍進してください」と挨拶。続いて学生ひとりひとりが岡田誠司総領事・寧子夫妻に日本語で自己紹介した。 岡田総領事は震災後の経済復興や電力供給状況、原発に替わるエネルギー開発の必要性などを述べ「ほとんどの皆さんが自然科学を選考としていると思います。あなたたちが『鍵となる人たち』です。企業への貢献とともに、カナダからのアンバサダーとして貴重な体験をしてきてください」と激励の言葉をかけた。

 

 

(左から)2006 年に日加コープ・プログラムに参加し、現在はアシスタントを務めるビクター・ラング氏、同プログラム・アシスタントの根本優子氏、プログラム・ディレクターのジェニー・レイリー氏

 

期待と興奮に目を輝かせ

バンクーバーで4日間の研修を終えた学生たちの間 では仲間意識も芽生え、元BC州日加協会会長のラッセル・マーク氏が語 る日本での体験談や情報に興味深く聞き入った。 ブラジルの日系4世で、ブラジルやスウェーデンで育ったエリックさんはUBC でコン ピューターサイエンスを専攻する4年生。日本では福井鋲螺株式会社に10カ月研修予定で「最先端技術を備えた職場で働き、日本語も上手になりたい」と抱負を語った。 ほとんどの学生が日本へ行ったことがないが「何にでも挑戦して技術や日本文化を吸収したい」と、期待と興奮で目を輝かせた。

 

日加コープ・プログラムで日本へ出発する33人の学生たち(撮影:Don Erhardt Photography)

 

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

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