一枚の絵になるような レストラン「ざっ串」のインテリア

 

 

ポーセライトという名前の由来について尋ねると、「勝手に作った言葉です」と照れたような笑顔で語るひでさん。透ける磁器は前からあったのだが、「もっと透けたらいいな」と自分でどんどん調合していったのがきっかけとなったそうだ。そしてオリジナルのレシピを開発し、「ポーセライト」という名前をつけた。ほどなく高級インテリア店からブランド開発の依頼と、ギャラリーからは個展の依頼がきた。後に日本食レストランやコンドミニアムのインテリアデザインも手がけるようになった。例えば、バンクーバーのメイン・ストリートにある、レストラン「ざっ串」には店を作る時からデザインチームに携わった。バーの壁一面や店のあちらこちらにひでさんのポーセライトが見られる。細い陶器のひもが何本も揺らいでいる大きなシャンデリアはとても存在感がある。花びらのようなランプは一つ一つ違う形をして後ろの壁と調和し、立体的な絵を見ているような感じにさせる。オレンジ色の光はとても目にやさしい。

 

 

アトリエにあるペンダントライト

 

 

ポーセライトをよく見ると穴があいていたり細かく描かれた絵が浮き出ているものもある。ガラスの表面は固いため、江戸切り子のようにシャープに削っていくしかない。しかし、ポーセライトはろくろをひいた後、柔らかい表面に指でパターンを描いたり穴をあけたりできるのでデザインしやすい。

 

 

黄昏色のデスク・スタンド

 

 

ひでさんのウェブサイトでは、ポーセライトの作品を紹介している。購入希望の場合は、実際に来店し、ひでさんに自分の好みや部屋の様子を伝える。それぞれの家の大きさやインテリアに合わせた、オリジナル作品のプロジェクトが好きだとひでさんは語る。デスクランプ、ランプスタンド、シャンデリア、パネル、ウォールライトと選択肢は多い。完全オーダーメードのオリジナル・ランプのお値段は250ドルから。また贈答用にデザインされたペンダントもおススメである。

リッチモンドセンター・フードコート内の「Umi」というお店に行くと、実際にひでさんの作品を見ることもできる。周りはにぎやかだが、この店の奥には日本風の落ち着いた空間が設けられている。椅子に座り、ふと見上げると真珠貝のランプが目に留まる。くらげや巻貝など、他にも海をテーマにした20点ほどのペンダント・ライトがお店を演出している。もし部屋に一つ自分のテーマに合ったランプがあれば毎日の生活も楽しくなるに違いない。

(取材 ジェナ・パーク)

 

 

リッチモンドセンターの「UMI」は海をテーマにしたペンダントライトがいっぱい


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