2017年1月19日 第3号
毎年クリスマスは荷造りから始まる。何故かというと1950年度にドイツのヴェルツブルグの大学で一緒に勉強したハインツ(Heinz)の家族に送るためのプレゼントを荷造りしなければならないからである。
彼とは勉強を一緒にしたばかりではなく、一緒にダンスをしたり、映画を観に行ったり、散歩をしたりした仲でもある。で、今年も彼の奥さんのハイディ(Heidi)、息子のステファン(Stefan)、息子の奥さんのシルビア、二人の孫、それからハインツの独身の娘さんウルリカ(Ulrike)のために荷造りして(これ、すごいエネルギーと時間がかかるのだ)送り出した。
すると向こうから電話がかかってくる。
「荷物着いたよ。僕達のプレゼント着いた?」
「ううん、まだ。こっち、とても寒い。そっちどう?」
「こっちもとても寒い。零下7度だ」
何、こっちと同じじゃない。グローバル・ウァーミングはどこに行ったのかね。大いに賛成だのに。
そのうちに、誰かがトントンと扉を叩く。扉を開けてみたら、同じフロアーの隣人の一人が箱を持って立っていた。箱の中にはきれいに専門家が焼いたようなクリスマスクッキーがいっぱい入っていた。うーん、上手だね。旦那さんが焼いたそうで、女の私よりずっと上手で恥じ入るよ。
今年は娘と一緒に、ダレル・ニクソンの指揮するクワイヤで、クリスマスキャロルを唱うことにして、クリスマスイブの12時のサービスに間に合うように10時半ごろに行った。
幸いその日は何も降らず、まあまあの天気でよかった。
翌日のクリスマスには、娘夫婦の家のディナーによばれて、正式のターキーのディナーにあずかった。
ハインツの家では私の荷物を開けて電話をかけてくる。
「こんなにたくさん素晴らしい物を有難う。こんなにお金を使いなさるな」
何、大丈夫だよ。こっちはメイド・イン・チャイナの強みがあるのだ。ヨーロッパに行くとメイド・イン・チャイナはないから、何でも目が飛び出るほど高い。
知り合いから来たクリスマスカードの中に、見知らぬところからのサンキューカードが入っていた。いぶかしく思ってよく見てみたら、これはクイーン・シャーロットのハイダ・グワイから来たものだった。忘れていたが、数カ月前にハイダ・グワイが個人的にシリアの難民一家をスポンサーしたところ、その家族の一人の娘の脚に弾丸が当たって切断しなければならない。その費用で用意しておいた資金が足りなくなったという悲しい話がバンクーバー・サンに載っていたので、少額のお金を送ったのを忘れていたのだ。そのお礼に、家族全員の写真と家族全員のサインしたカードを送ってきてくれたのだ。
私のところは娘が一人きり。ぞろぞろと6人の子供たちの写真を見ているうちに、思わず笑いがこみあげてきて、声を出して笑ってしまった。良いクリスマスでした。
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