2020年3月12日 第11号
「私ねぇ、最近、◯◯例会へ出ると気になることがあるのよ」と◯◯さんが言った。「実に◯◯会って素晴らしいと思うけど…。」と話続ける。老婆は彼女の「気になること」が、気になって堪らない。それで、「私も◯◯会っていろいろな意味で素晴らしい、だから20数年会員になっているのよ。ねぇ、それで貴方の気になることってぇ、なあに?」 するとやっと彼女は言った。「ある人が、若い会員を呼び捨てにするの。(老婆は難聴だから呼び捨てが聞こえていない)それでね、気の毒に思って質問したら、その若い人ね、『平気ですよ。私はそこから学ぶから』と答え、さらに『嫌なことをやる人を見たら、自分はやらないようにします。その人は私の先生です。』って言ったのよ」◯◯さんは話しながら若い会員の答えに感動していた。私もよく知るその「呼び捨てられ被害者」があの若さで!と、感動した。その若い人は今子育てしながら、自分も働き、いつも明るく、せっせと周りの人達を励まし、謙虚で、何時も奉仕の精神で動き回っている。彼女の周りの人たちも又揃って優しくよい友達が沢山いるようだ。その人は、今40代だろうか?彼女の子どもの年齢を考えると若い、歳は分からない。彼女は優しい笑顔で会う人、会う人を幸せにしている。そして、老婆はふっと思い出した、我が家のトイレにかけてある、「学び」と言う詩だ。
賢者は『地の道』に学び、
知者は「古き人」に学ぶ。
『学ぶ者』は
『学ばぬ者』に学び、
『学ばぬ者』は
『学ぶ者』に学ばず。
これを書いた小林正観は旅行作家でよく旅をした。田舎の宿で村人との話は身の上話と愚痴が多い。そして、場所、場所で相談事もふえてきた時、彼は話をプリントしていろいろな人にあげたのです。ある時、それを読んだ某会社社長が長年働いている社員のことを愚痴った。さんざんな彼の愚痴を聴き終えた正観は「分かりました。でも、長年働いた其の人の良い所はなんですか?」社長はハッとします。そして、長年働いていたその人は、実は良いところばかり、ただふっと気になった彼の欠点を取り上げては愚痴ったのです。「彼の良い所?!」その一瞬の気付き、が彼にとって素晴らしい「学び」だったのでしょう。社長は正観のプリントを本にし、その出版と販売を一手に自社で引き受けました。正観さんの話が聞きたくて、この老婆は沖縄へその勉強会に(2011年に彼は他界)毎年行っていた。最初、彼の本は本屋で販売されていず、直接出版社へ注文するか、講演会で買います。聞くところ(長者番付)12年間連続10位以内といわれる大金持ち斎藤一人さんは、正観さんの本が発売されるたびに沢山買い、関連者にあげていたと聞いたことがあります。そのうち彼自身もビジネス歴の経験をもとに、もう何十冊もの本が出版されたことでしょう。そして、亡くなった正観さんの本が今は時々本屋でも見られるようになりました。
実はある時「ねぇ、こういう話を知っている?」と友人が小林正観って人がね、毎日『ありがとう3千回』言うと病気も治り福が来るって言ってるそうよ。それでねぇ、ある女性が彼の講演を聞き、正観さんを訪ね、「正観さん、私は10年もうつ病なのです」「それはお気の毒ですねぇ、それではありがとう3千回やってみたらぁ」すると「そんなこと、できません」という答えでした。正観さんは「じゃ勝手にしらぁ」と言ってそれは終わり。ところが1週間後、その女性から電話が入り、『うつ病の私ですが、ありがとう3千回やったのです』「そうですかぁ、それでどうですか?明日◯◯会館で私の講演会がありますが、いらっしゃいませんか?」「そうですか、はい!いかせて頂きまーす」元気な彼女の一声。正観さんはその女性のうつ病は「ありがとう3千回」で治っていることを暗黙の裡に確信していました。実はこの老婆、その話がきっかけで、正観さんの本を読み、講演を聞くに行くようになり、無論、今はありがとう6千回にも挑戦し続けていますよ。お陰で良い人との出会いにも恵まれています。そして、また正観さんのつぶやきです。
「大富豪」:人を見る目の優しさ、出てくる言葉の暖かさ、周りを和ませる笑顔の柔らかさ。無限に有する貴方の財産、決して減らない。正観
許 澄子