2020年2月13日 第7号

 毎日どこかから「成長のヒント」というメールが送られてくる。ばかばかしくなることも書いてあるが、読む人次第でどうにでも解釈でき、同じことを繰り返し言っている気もするが、私には「楽しい」が80%、読んでみて下さい。文章が長すぎるのは短縮しています。

 最初に老婆が好きな数行:人の欠点が気になるほど、自分の欠点も気にしてしまう。人のいいところを探すほど、自分のいいところが見つかっていく。人を応援するほど、人から応援されている。多くの人を助けるほど、いざというときに意外な人から助けられる。自分の都合だけを考えると、どんどん行き詰まっていくから、みんなの喜び、笑顔、成長を願ったならば、自然に自分の喜び、笑顔、成長の機会も増えていく。

 次に:仕事、人間関係、人生を一気に進めるカギのひとつが「わざわざ」にある。「わざわざ会いに行く」、「わざわざ買いに行く」、「わざわざつくる」、何かのついでではなく、そのためだけに時間とエネルギーを使う。当然、非効率だがその「わざわざ」に思いと気持ちがこもり、相手に深く届く。

 そして、自然といい人たちが集まってくる人は、最初からいい人ばかりであったわけでない。人のいい面(所)が発揮されるように関係性を育んで今日の実を結んでいる。では、どうすれば関係性を育てられるか? それは相手の価値を上げることを意識してやる。最大の秘訣は周りに、どう紹介するか、普段から、どんなエピソードを話しているかにある。もちろん悪口やゴシップを言うのは論外。その本人を象徴するような魅力的なエピソードを語り、自分はどれほどお世話になっているのかを感情を込めて心で話す。しかも本人がその紹介を聞いて改めて自分の良さを再認識し、よりやる気になるぐらいを目指す。そうして価値を高め合える関係づくりをしていると、自然に魅力的な人たちが集まってくる。

 ー豊かに幸せに働くにはまず、自分も、周りも笑顔でいることをイメージする。悪い流れは自分のところで止めて良い流れをつくっていく。皆の役に立つモノや情報は惜しみなく共有する。おかげさま、お互いさまというおてんとう様の精神で暮らす。

 ー自分の人生にとって何が正解か不正解かは分からない。いいと思っても前進を止めていることがある。上手くいかないことで逆にどんでん返しで救われることもある。いい人生を歩んでいる人達は迷わず一直線に進んできたのではなく、むしろ悩み、迷い、遠回りしながらもかすかな光に向かって人生をかけてきただけ。その時々に希望を見出して進み、本物を知り学び、焦らず、たゆまず、傲慢にならず、一歩一歩を楽しんで、一日一日成長していったら、魂でつながる人たちと出会い自分を求めてくれる場所に運ばれていく。

   …と、ここまで書いてふっと思ったのは2017年日系センターで行われた「移住半世紀の集い」で頂いた小冊誌。それに書かれている移民者各自のストーリーだ。どれをとっても悩み、迷い、苦しみ、それでもその時々に見える、かすかな光に向かって歩みつづけて来た人がここバンクーバーに沢山いる。彼らはその時々に希望を見出し本物を知り、学び、焦らず、たゆまず、傲慢にならず一歩一歩を楽しんで日々成長し、魂でつながる人たちと出会い、自分を求めてくれる場所に運ばれてきたのだと知る。

 クリーニング屋でアイロンがけ、キャナリーで朝7時から仕事、その後4時からレストランで働かなければならなかった人、それでも学生ローンや銀行から借金をしUBCで勉強、修士課程を卒業なさったという話には感動した。

 またある女性は28歳で独身、カナダへ移住。彼女はこう書いていた、「十人十色、人生もそれぞれ、振り返ってみると私のカナダ移住が成功したのは、ひとえに、カナダに来て以来、この国で素晴らしい人たちと知己を得られた、そのご縁のお陰です」その方は日本語教師となり教え子は500人以上だと言っています。

 この老婆、今ある「幸せ」、それもひとえにこの国へ来て「素晴らしい人たちと知己を得られたそのご縁のお陰なのです」と言う彼女に全く同感!

許 澄子

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。