2018年2月8日 第6号
「つまづいたっていいじゃないか 人間だもの」みつを
相変わらず毎日元気で「死ぬ準備」。今日またゴミの山を整理していたら、1枚の紙が見つかった。手に取って老婆は読み始める。涙が出てきた。涙ながらに読んだ1枚の紙きれ。それには……。
「つまづいたおかげで」
つまづいたりころんだりしたおかげで 物事を深く考えるようになりました 過ちや失敗をくり返したおかげで 少しずつだが人のやる事を暖かい眼で見られるようになりました 何回も追い詰められたおかげで 人間としての自分の弱さとだらしなさを いやというほど知りました そして… 身近な人の死に逢うたびに 人のいのちのはかなさと 今ここに 生きていることの尊さを 骨身にしみて味わいました 人のいのちの尊さを 骨身にしみて味わったお陰で人のいのちをほんとうに大切にする ほんものの人間に裸で逢うことができました 一人のほんものの人間にめぐ逢えたおかげでそれが縁となり次々に 沢山のよい人たちに めぐり逢うことができました だからわたしのまわりにいる人たちは みんな よい人ばかりなんです
以上、老婆が心から書きたい、言いたいことを「相田みつを」さんがぜーんぶ言ってくれました。これで今回はもう書くことはないはずなのに……。
実は数日前、老婆は尊敬する友人の怒りをかい、絶交状をもらいました。「自分の精神性を高めてからお会いしましょう」彼女は皮肉で「自分」の精神性といったのだが、実は「老婆の精神性を高めて!」という意味が感じられました。老婆は「互いがエンジェルになった時に再会が出来るのですね」と返信。
この1月初旬、その友人が、実は素晴らしい宇宙から来た「ヒーラー」を紹介する、という連絡を東京からくれました。「不思議大好き」老婆はここバンクーバーでその人に会えるというのでセッションを予約。いよいよその日。早朝、ヒーラーに会った。まーず不思議な感じがした。「宇宙から来た人」と東京の友人は確かに言った。しかし、ご本人はそんなこと言いません。会ったとたんその人の顔が舞台上の歌舞伎俳優の様に真っ白に見えたのです。それもむらむらで平均して白いわけではありません。お化粧を下手にやったのかなぁ?とも思いました。彼女がお茶を入れて下さり、カウンセリングのセッションは始まり、セッションがどんどん進むうちにすごい頭痛に襲われ、やがてそれも治り老婆は身体に溢れるようなエネルギーを感じ、気持ちがよくなる。それは信じられないくらい素晴らしい体験だった。問題の彼女の顔、いつの間にか普通の色白の人と同じようになり化粧ではない事がわかった。互いの顔先1メートルくらいの所でセッションを受けていたのでよく見えるのです。セッション終了頃の自然な彼女の色白顔は美しかった。
ところが問題は、友人が勧めるセッションを東京で2日間受けると約12万円、カナダで2時間受けるのは2万円、1時間だと1万5千円なのです。宇宙エネルギーを持つクリームは小さな収容面積3センチ四方のビンに入って9千円。宇宙人と言われるヒーラーの美しい肌はそのクリーム!「そうだ!あれだ!」と内心老婆は確信する。とにかく、老婆の体験ではお金があれば何回でも受けたい気持ちよいセッションなのです。ただ、そのヒーラー紹介者の友人によれば「その方は宇宙から地球を救うためにいらした救世主、キリストや仏陀のような方」という事でした。それで老婆は『キリストや仏陀は沢山の人を助けたでしょうが、お金は取らないですよ。彼女があんなに高くセッション料をとるのは地球救済の時にお金が必要だからなの?教えて?』と言ったら「そんな質問に答えられません」ということで、結局「絶交」になったわけです。ここでは多分「波動の法則」足立育朗の本が役立ってくれるかなぁ。宇宙の事だから。量子力学や物理学に詳しい方の話に繋がれば、この宇宙人の話は本物になるかもねぇ。
でもそれから、老婆は宇宙の事とはしばらく離れ、今は一人静かに「置かれた場所で咲きなさい」渡辺和子、相田みつをの色々な本、最近、日系センターのブックセールで見つけた「いのちが喜ぶ生き方」矢作直樹、星野富弘の絵と詩等々。足下の幸せが見つかる本をくり返し読み返している、それでもなんだか幸せみたい。
絶交されても仕方がないこの老婆。
でも「わたしのまわりにいる人たちは みんな 良い人ばかりです。」
許 澄子