2019年2月14日 第7号

 この冬、もう雪は降らないだろうと、春を心待ちにしていた矢先、気温は零度前後を行ったり来たり。カナダで一番暖かいはずのBC州、しかもバンクーバー地域でも雪が降りました。夜間の気温は、連日、氷点下。

 もっと寒い他の州では、1メートル近くも雪が積もっているところもあるようです。大雪関連のニュースを見ると、吹雪で積もった雪の影響で、家族や介護サービスを提供する人たちが、介護や支援が必要な高齢者宅に行けない状況が起きています。このような状況下では、高齢者、特に一人暮らしの高齢者が、外との連絡が取りにくくなり、孤立してしまいます。介助がないとベッドから起き上がれない人や、自分で起き上がれても、なかなか自由に動き回れない人の場合は、介護ヘルパーが、例外的に高齢者宅に滞在し、高齢者が孤立しないようにしているサービス事業所もあるようです。いつも通りとはいかないものの、高齢者がなんとかサービスを受けられるよう、できる限り対処しています。

 毎日の介護は必要でなくても、週に一度のサービスを利用している場合や、毎日飲んでいる処方箋薬や、食料品の買い物を配達に頼っている場合にも影響が出てきます。また、急に体調を崩し、救急車を呼んでも、経路に積もる雪に阻まれ、救急車がなかなか目的地にたどり着けないこともあります。ようやく目的地についても、雪に降り込められ、家の前のドライブウェイが雪に埋もれてしまい、家の中に入れません。Handy Dartのような、マイクロバスのピックアップ・サービスも、家の近くまで迎えに来ることができません。

 雪による影響は、家族や介護ヘルパーがいつも通りに訪ねることができないことにより、日常生活に支障が出るだけでなく、高齢者の精神的な負担が大きくなることも考えられます。 雪に降り込められ、物理的に孤立状態になることが、精神的な孤立感につながります。予定通りに訪問できない場合は、電話で連絡を取るなど、不安を軽減するように努めているようです。

 雪が積もっていても、少しの雪であれば、何とか自分で雪かきができても、大雪となると話は変わります。雪かきができないと、家の中に籠もったまま、外に出られないだけでなく、外からも人が家に入って来られなくなります。ニュースでインタビューを受けていた一人暮らしの高齢者も、持病があり、急に具合が悪くなったときのことを考えると、心配が募り、不安で夜も眠れなくなると答えています。

 皆さんもご存知の通り、公道の除排雪作業は地方自治体が行いますが、自治体の条例により、家の前の歩道に積もった雪は、そこに住んでいる人に雪かきをする義務があります。しかし、日常生活に介護や介助が必要な人には、とても無理な話です。除排雪代行をする業者もありますが、 近隣の中・高校生やコミュニティーの人たちが、地域のボランティアとして、雪かき作業を行っている所もあります。ところが、とりあえず元気で、普段も自立した生活を送っている高齢者が、自宅周りの雪かきをしている最中に転倒し、切り傷や捻挫ではすまず、骨折に至り、病院に搬送されるケースもあります。自立した生活ができている高齢者が、ともすれば忘れがちなのが、体の年齢。 若い頃のように、体は言うことを聞いてくれないことを自覚しておらず、自分の体力を過信してしまいます。雪に降り込められるだけでなく、このような事故も発生します。怪我をしなくても、もともと持病がある場合、体に無理な負担がかかり、例えば、心臓疾患の発作や、呼吸器疾患から息切れや呼吸困難に陥る可能性もあります。

 専門学校や大学を含め、地域の学校は軒並み休校。こんなお天気の日は、どうしても出かける必要がなければ、無理せず家で過ごすのが一番と、ラジオでも放送しています。様子伺いを兼ねて、一人暮らしの高齢の知り合いに電話をしようと思います。

 


ガーリック康子 プロフィール

本職はフリーランスの翻訳/通訳者。校正者、ライター、日英チューターとしても活動。通訳は、主に医療および司法通訳。昨年より、認知症の正しい知識の普及・啓発活動を始める。認知症サポーター認定(日本) BC州アルツハイマー協会 サポートグループ・ファシリテーター認定

 

 

 

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