2017年4月6日 第14号

 認知症で代表的な「4大認知症」の中で、レビー小体型認知症と同程度の割合で発症するとされているのが、「脳血管性認知症」です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の障害や、脳に受けた外傷が原因となって発症します。血管の詰まりや出血、外傷により、血液の循環が妨げられ、脳細胞に酸素や栄養分が供給されなくなるため、神経細胞が死んでしまい、認知症が起こります。女性よりも男性の発症率が高く、アルツハイマー型認知症のように徐々に進行するというより、良くなったり悪くなったり、一進一退を繰り返しながら進行します。その症状は、血管の詰まりや出血、外傷が脳のどこに起きたかにより異なります。

 脳血管性認知症の最も特徴的な症状として、感情の抑制が効かなくなる「感情失禁」が挙げられます。些細なことで怒りの歯止めが効かなくなったり、ちょっとした声がけに泣いたり笑ったりしてしまいます。これは、感情を司る前頭葉の血流が妨げられることが原因で起こります。

 「まだら認知」も特徴的な症状です。細胞が正常に働いている部分には問題がありませんが、脳梗塞や脳出血などで脳細胞が壊れている部分では、機能が低下しています。アルツハイマー型認知症と同じように物忘れがあったり、計算が苦手になっていても、判断力は低下していないという「まだら認知」と呼ばれる状態が起きます。このような症状が、一日のうち時間帯により起きるため、何もできない時と、できないと思っていたことができる時があり、介護している家族や周りの人も困惑します。

 また、初期に「できないこと」や「わからないこと」の自覚がはっきりしている傾向があります。そのため、自分の変化にショックや不安を感じ、気分がひどく落ち込み、うつ状態になることもあります。夜になると意識障害を起こして取り乱す「夜間せん妄」も起きやすく、昼夜が逆転する場合もあります。

 さらに、他の認知症では、一般的に症状が進行してから表れる「運動機能障害」が、初期から見られることが多いのも特徴です。嚥下障害(うまく物が飲み込めない)、手足のしびれや麻痺、震え、失語(言葉の理解と操作ができない)、呂律が回らないなどの発語障害、失禁などの症状が見られます。

 脳血管性認知症の場合、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害のリスクを高める、高血圧や糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病を予防することで、発症をある程度防ぐことができます。原因となる病気の症状を改善すれば、認知症の症状も改善することが多いとも言えます。

 


ガーリック康子 プロフィール

本職はフリーランスの翻訳/通訳者。校正者、ライター、日英チューターとしても活動。通訳は、主に医療および司法通訳。昨年より、認知症の正しい知識の普及・啓発活動を始める。認知症サポーター認定(日本) BC州アルツハイマー協会 サポートグループ・ファシリテーター認定

 

 

 

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