2019年1月31日 第5号

 私は小さい頃からずっと地黒、ぽっちゃり。そんな私は、ジャンクフード、揚げ物、お菓子大好き人間。運動神経はよかったんだけど、中学の時のバスケ部ではやる気なしで、万年補欠組。やめたくても先生にビンタされるのが怖くて、3年間地獄の練習に耐え続けた。高校に入ってからはその反動で、アニメ部、書道部。その頃の私はがり勉、真面目、ヘビメタ、洋楽好きオタク女子になっていた。小学校低学年の頃、勉強ができなくて、マジで家族に心配されていた私だったのに、中学に入る頃には、すっかり優等生に変身。それで市内の進学校に“さくっと”推薦で入学した。その進学校は、地元の人に“軍隊学校”って呼ばれるような規則のすごく厳しい学校。その頃の私たちの間では、かばんをぺちゃんこにするのが流行っていた。この軍隊学校では毎朝、登校時に先生がかばん、服装チェックを門に立ってする。髪の毛を伸ばしたい子は、届を新学期だけ出せて、許可が出たら髪を伸ばせる。今考えると、おかしいんじゃないっていう規則。規則にがんじがらめにされたその頃の私の唯一の楽しみは、食べること。しかも、その軍隊学校は男女共学だったにも関わらず、高校3年間、私は男子生徒と一回もしゃべったことがない。しかも、あの頃の私は悪い食生活、猛勉強からの慢性的な疲労、思春期のホルモンなどが影響したのか、金縛り、幽体離脱とかの奇妙な体験の連続だったから、本当に大変だった。

 こんな灰色の高校生活を送っていた私に、大学の受験の時期がやってきた。私にはその頃考えていた進路が3つあった。1つ目は、私が以前通っていた小学校には、養護クラスがあって、私は障がい者の子供たちのお手伝いを好んでするような、世話焼きな子供だった。自分は人助けが好きだから、福祉関係に進んだらいいかなと思った。2つ目は、歴史、特に宗教に興味があって、史学を学びたいと思った。そして3つ目は、洋楽好きだったから、英語科に進んで英語を勉強すること。結局受験したのは、地元の有名お嬢様学校の英語科、地元のお坊ちゃま大学の歴史科、あと2〜3の有名大学も記念受験した。あの時、福祉科はなぜか受けなかった。今、この3つの進路を考えると、今の私のしていることにすべて繋がっていることに気づく。今の私は、毎日英語で生活してる。フィットネスという仕事はいわゆる、ヒーリング、福祉の仕事。歴史、宗教は、ヨガの先生として、それから私の生き方、価値観だ。この3つのすべてが統合して今の私がいる。とてもおもしろいと思う。結局英語科と、歴史科の両方に合格した。でもあの時の私は、安易な理由で自分の進む大学を決めた。それは、高校時代の男子恐怖症、そのリベンジで、男女共学の歴史科に進んで男友達をいっぱいつくって、彼氏をつくってバラ色の大学生活をすると…こんなよこしまな理由で私は自分の大学を決めた。

 さて、大学の入学式当日。優等生で、ずっと厳しい校則に抑圧されていた私は、絶対に大学デビューをしてやるぞと意気込んで登校した。でも、これから4年間一緒に過ごすことになる同級生を眺めて、唖然とした。だって“彼氏をつくって、超楽しい大学生活を”って意気込んでいた私の目の前にいたのは、全員超がつくようなオタク学生ばっかり。史学に進んだんだからそれは当然だったんだけどね。おへそまでジーンズをあげて履く男、アニメオタク男。私の思い描いていた、パーフェクトなバラ色の大学生活が、音を立てて壊れた瞬間だ。ちなみにそのころの私はというと、姉に借りた服を着て、デブの勘違い女だったけどね。そんなわけで、私のリベンジは叶うことなどなく、ただの妄想で悲しく終わった。でもね、そんな私と類友な優しい同級生に囲まれて、内心私は安心した。サークルはというと、かっこいい先輩がいたのと動物が好きという理由だけで、乗馬部に決めた。でも、そのころ157㎝の推定80㎏以上(怖くて測れなかったから、はっきりわかんない)の私の立派なふくらはぎが…乗馬ブーツに入らないという恥ずかしい事態に。隠れてブーツにはさみで切れ目を入れていた私。そして先輩たち、男子部員たちから、そんなに重いのが上に乗ると馬が腰を痛めてしまう、かわいそうだ、という冷やかしもあり、やっぱり動機が不純だから続くこともなく、1年後には辞めちゃった。でも、本当にお馬さんのお世話をするのは心が癒されて大好きだった。

(次号に続く)

 


作者プロフィール ドナルド涼子

BCRPA Supervisor of Group fitness & Yoga ,Personal trainer, Older Adult, 200H Yoga Teacher

47歳、愛知県出身、1999年に結婚を機にカナダに移住、34歳の時にフィットネスインストラクターの道に進むとすぐ、女性に人気のカリスマインストラクターへ成長する。2016年ベストインストラクター賞を受賞。43歳の時に、アマチュアボディービルのビキニコンペティションを趣味として始め、地区、州大会にて優勝、上位入賞経験あり、現在次の全国大会に向けてトレーニング中。また、フィットネスプロフェッショナルへの講習活動、地域の学校でのヨガ、フィットネス指導、老略男女問わず、心と体の健康と幸せの為の活動を行っています。また、近年マスメディアにも出演、読売テレビ、グッと地球便、Nikkei TV Chipapa など。こんな肩書を持つ私ですが、若かった頃は、性格ブス、デブ、ネガティブ、ずっと自分の事が大嫌いだった。そんな私には、運命を変えてくれる主人との出会いがカナダで待っていた。出会った瞬間にビビット来て、この人と結婚するってわかった私は、出会って1週間後に彼の実家に転がり込んだ?!そして、結婚、異国の地で2児の母になる。気が付けば20年、今の私は心から幸せ、自分大好き。私がどうやって幸せをつかんだのか、私の経験をお話ししながら皆さんに伝えたいと思います。私の目的はただ一つ、あなたにも“幸せ“になってもらう事。 パーソナル、グループトレーニングやヨガのご質問は、This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it. 604-889-4729 まで、または Instagram : befitfirmfab 、 facebook : Ryoko Donald

 

 

 

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