2017年8月3日 第31号
すべてのこどもは、とても特別な存在で、そのこどもにしかないギフトを生まれながらに持っています。その才能を上手く引き出してあげれるかどうかは親の聞き方で決まると言っても過言ではありません。こどもの話をよく聞いてあげると、こどもの心に安定が生まれ、「今」と向き合える集中力もついてきます。「安定感」+「今」が整うと、こどもは色々なことに興味を持ち始め、失敗を恐れずチャレンジしようとする勇気が芽生えます。この前向きなパワーが「自己ギフト肯定力」へとつながっていきます。「自己ギフト肯定力」とは、私が自己肯定力(self-esteem)+ ギフトを掛け合わせている言葉です。(^^)
元々こどもは「今」を生きているのですが、心が不安定な子どもは集中力(今力)に欠けているので、よく忘れ物をしたり、学校で先生の話を聞くことができません。結果、先生から注意されたり親から叱られることが多くなるので、こどもは自己否定するようになり、生まれ持ってきたギフトを手放し、自分でいること (being) より、誰かになりたい (becoming) と、なれない誰かに対して強い憧れを抱くようになります。
「変わりたい」と願う大人の話を聞いていると、『白・黒な考え方』をしていることが多いことに気づきます。これらの考え方を幼い頃からしている人は、「自己ギフト肯定力」が弱まっており、 自己ポテンシャルに限界を感じている人が多いようです。また、ネガティブな評価に繊細になっているので、縁をつなげる努力を怠ったり、行動を先延ばす癖も付いているので、人生に広がりが生まれにくくなっている傾向もみられます。そして、白・黒の考えをしている大人には必ず共通していることが一つあります。それはこどもの頃親によく話を聞いてもらえなかったというところです。
反対に、聞き上手な親に育てられたこどもは、結果よりも過程を大切にできるようになります。この「過程にフォーカス」できることが「自己ギフト肯定力」を伸ばす大きな力となるのです。その理由は、「ギフト」を引き出し育てるためにはクリエイティビティを要するからです。ギフト色は人それぞれで、白と黒の間にある膨大な種類の色(選択、可能性)の中に存在するからです。その自分ギフトカラーは、親が日頃からこどもに質問をすることで引き出してあげることができます。
聞き上手になれる「質問の仕方」
どんな質問をすればいいか分からないと戸惑う親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。キーポイントは「とにかくお子さんの話に興味を持ってみる」です。また、「こどもが話しているとき、ちゃんと目を見て、ゆっくり最後まで聞いてあげる」「こどもの考え方が間違っている場合でも即座に訂正しない」「 質問してこどもの考えていることをどんどん引き出してあげる」などもポイント。例えば、お子さんの話していることに不安やハテナを感じるとします。結果を急ぐ親御さんはすぐ訂正したくなるかもしれませんが、あくまでも大切なのは過程。(即座に訂正するのは、こどもが白黒した物の考え方になる大きな原因になります)質問してあげることで、こどもはそこから「自分はこんなことを考えていたんだ」「そんな見方があったんだ」と、自分がその考えにたどりつく過程で意識しなかった部分をどんどん認識していけるからです。それがこどもの中に眠る宝物を発掘する効果的な方法の一つとなります。意識してお子さんの考えること、そして話がしたくなるように工夫しながら質問してみてくださいね。すると、「へ〜。こんなこと考えてたの?!」と、お子さんのギフトをどんどん発見していけると思います。
私のウェブサイトに、こどもが話したくなる質問の仕方をアップしておきますので、ぜひ参考にしてくださいね!9月に『アドラー心理学:こどもの心が育つ子育てワークショップ』を行います。詳細はウェブサイトから。
( 文 Sunny Chung)
Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CPF
カナダ・BC 州認定心理カウンセラー。BC 州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10 年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。5月はアドラー心理学に基づいた、「子供のこころを育てる」ワークショップ開催予定。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
www.sunnychung.ca