2016年9月15日 第38号
よく雑誌やウェブマガジンの特集で「かつての〇〇はいまどこに?」みたいなどうでもいい企画があるが、それが80年代の映画に出ていた俳優たちだったりするとついつい見てしまう。今日はスラングも兼ねて、元有名人たちがどう呼ばれているかを紹介。
One hit wonder (ワン・ヒット・ワンダー)
「一発屋」 「アメリカン・トップ40」ビルボードによると、「ワン・ヒット・ワンダー」と呼ばれるに満たされるべき条件があるらしいが "Who cares"。ものすごい勢いでトップチャートに登場したが、その後は全く音沙汰がないアーティストはすべて「ワン・ヒット・ワンダー」である。例えば単純な振り付けとともに有名になった「マカレナ」(1993年)がいい例である。古い例を挙げれば1985年のa-haの『テイク・オン・ミー』、最近では、『ガンナム(江南)スタイル』!これだけで夜の会話が弾むこと間違いなし。 Has-been (ハズ・ビーン) 「元有名人」 過去人気のあった俳優、またはアーティストのことを指す。ここ数年、リアリティーTVで有名になったいわゆる、"reality TV show celebrities"(セレブ)も含まれる。パリス・ヒルトンなどがいい例か。 Wanna-be(ウォナ・ビー)「○○になりたい人」 この表現は、有名になりたいと願う人から、何か(通常は歌手、俳優のような芸人職種)を目指している人、自分に影響を与える人のように行動しようとする人たちを指して言う。「かぶれ」や「マネっ子」も含めても間違いではないが、常に悪い意味で使われるわけではないので、自分に対して使われてもすぐに気を悪くしないようにしたい。似た表現としては"Never -was"(有名になれなかったタレント)がある。
Copycat (コピー・キャット) 「マネっ子」
「猫」は昔は人を侮蔑して呼ぶときに使われていたらしいが、現在は「犬」のほうが侮蔑度が高いように思われる。だが"copycat"と呼ばれても侮蔑されたと思わないでいただきたい。子供も使う一般的な表現である。 Try-hard (トライ・ハード) 「一生懸命(な人)」
有名になるため、または笑いをとるためにひたすら励む人のことをいうが、通常はそれだけで終わってしまっている悲しい人たちのことを指す。だから本当に勉強や音楽に取り組んでいる人に対していうと、下手をすると侮辱することになる。特に友人や(またしては自分の子供!)などには使うのは避けたい。
Sellout(セル・アウト)「裏切者、寝返り者」
ポリシーを曲げてまで生き残ろうとする政治家や、売れなくなったがため、曲のスタイルを変えたり、以前はしなかったようなことをしだして再び人気を得ようとする、または売り込もうとするアーティストに対して使われる。そういえば先月アメリカにいたときにジョン・ボン・ジョビが保険会社のコマーシャルで歌を歌っていたのを見て悲しくなったのを覚えているが、それも「セル・アウト」になるのだろうか。エアロスミス(Aerosmith)のスティーブン・タイラーがアメリカンアイドルのジャッジとなることが決まった時に多くのダイ・ハード・ファン、ハードコア・ファンから反感を買ったときにも聞かれた言葉である。
これらは決して「気持ちのいい言葉」であるとはいえないが、ジョークがてらに使ってみたり、芸能人バッシュするときに使って会話を弾ませることができる。まあ「トラッシュ・トーク」の範囲内にとどめておきたいボキャブラリーである。
(文・イラスト 亀谷長政)