2017年10月19日 第42号

 

 ジャズのスタンダードともいうべきデイブ・ブルーベック・カルテットの名曲“TAKE FIVE”(テイク・ファイブ)。この曲が実は5/4拍子というとてもユニークなリズムだったということはウィキペディアを読んで初めて知ったのだが、元来4/4拍子だった曲を外国で演奏するためにエキゾチックに仕上げたくてリズムを変えたのがきっかけらしい。その結果5/4拍子バージョンを弾く際にはバンド内で演奏前に、Ok, guys, let’s take “FIVE” オーケー、ガイズ、5(拍子のやつ)いくぞ)と言っていたのか、著者の想像の域でしかない。

 この“Take five”だが、実は普通に“Let’s take five”というと、「5分休憩しよう」という意味になる。

 この説明をするがごとく、ジャズの名曲に結び付けようとしたところ冒頭の話になったのだが、ややこしくなってしまったのなら、お詫び申し上げたい。

 ということで今日は時間に関連した表現をいくつかシェアしたいと思う。これらはいつも使われていて、しかもシンプルであるため、すぐにでも活用していただきたい。

I'll be there in ten. 「10分後にそこにいます」

  ミーティングが始まるからすぐ行くね、とか、今そこに向かってるから、というときに使われる。「テン・ミニッツ」と言わないところがなんか聞こえがいいと思うのは、著者だけだろうか。

 お店でお客さんが入ってきたときにも、取込み中でもお客さんを待たせたくない場合は、とりあえずこう言うのも大事。

I will be right there with you! 「すぐに行きますから!」

I will be right there in two seconds! 「すぐに行きます!」(2秒というのは大げさだが)

こうすることにより、そこに誰かがいるということを“acknowledge”(アクノウレッジ=認識)していることを示すので、いい言葉である。

 その場合、待っている側としてはどんなことが言えるか?

Take your time. 「ごゆっくり」

 実際は早く対応してもらいたいものも、こっちも多少のリーズナブル度を示さねばならない。

 それか、待つのが長くてしびれを切らしている場合は?

Come on. I haven't got all day. 「頼むよ、こっちは一日中待ってられないんだからさ」

Come on. We haven't got much time left. 「頼むよ、あまり時間ないんだからさ」

 “time left”は「残された時間」という意味。時間は物理的に無制限のはずだが、なぜか人生のルールでは時間切れや時間の足りなさを経験してしまう。

Time is running out. 「時間が切れつつある」

You are wasting your time. 「君は時間を無駄にしているよ」

 切れてしまう時間も無駄にしてしまうことさえあるのだから、時間とは不思議なものだ。仕事の時間も、リラックスする時間も大切に使いたいものである。

(文・イラスト 亀谷長政)

 

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