2017年2月23日 第8号
英語の“enough”(イナフ)は「十分にある」という意味で使われている。 (例)I don’t have enough experience in ~「〜の十分の経験がない」
だが毎日の会話の中では“enough”を使って、もっといろんな表現ができる。
There are not enough teachers in BC. 「BC州は教師が足りない」ということによってたいていの場合「教師がもっと必要である」という意を示すことになる。
計量や、速度などを表す際にもよく使われる。
Not enough salt. 「塩が足りないよ」
You need more salt.「もっと塩がいるね」
この二つの表現はほぼ同じ意味を指す。
That’s more than enough.「それは必要以上だね」
That’s too much.「それは入れすぎだね」「それはやりすぎ」
“more than enough”も“too much”とほぼ同じ意味となる。 もし塩がもう少し足りない場合は You could use a little more salt. 「塩もう少し入れてもいいね」となる。
会話の中で使われると、もっとニュアンスが広がる。
That’s enough. 「いい加減にしなさい」
That’s enough playing for one day. 「今日はもう思う存分遊んだね」
You have done enough. 「もう君はしっかりと仕事を果たしたよ」
I have had enough. 「もう沢山だ」
That is good enough for me. 「僕にはそれで充分さ」
“good enough”は十分に満足させる分量、または質を備えていることを意味するが、ときとして「それくらいでいいよ(それで十分だろう)」というニュアンスを含んだ表現としても取られる。
How did I do? Good enough, or not enough? 「どうだった?十分(の結果かな)、それともまだ物足りない?」 注意したいのは「どうだった?」と聞かれて、“good enough”と答えると、もっとよくできたのではないか、という疑問を残しかねないので、出来をほめたいのであれば、別の言葉を使うべきだろう。
Well done! 「上手!」「よくやった!」
Good job! 「上出来!」
You are good! 「上手だね!」
“good enough”ではグッド・イナフ(十分)ではないときがあるということか。
(文・イラスト 亀谷長政)