2018年1月11日 第2号

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。

クリスマスからお正月といえば、お酒を飲む機会や、御馳走を食べる機会が増える時期です。胃腸にも体にも負担が多くかかり、体調をこわす人が多い時期でもあります。そんな中、この時期に是非摂取しておきたい、胃腸や肝臓をサポートし、体調管理を手伝うハーブや食材、食事メニューをご紹介したいと思います。

 

ウコン / Turmeric(ターメリック)

 日本のスーパーやコンビニエンスストアなどで近年よく見かけられることが多くなったハーブの一種ですが、主にドリンク剤として店頭に並んでいます。カナダではT&TやWholefoodsなどで普通に青果売り場に売られていたり、サプリメントのコーナーで、いろいろな店頭で売られています。小ぶりの生姜のような形をしているので、ああ、あれね…と思われる方も多いと思います。特に、インドではカレーの中にも入っています。 

 基本、黄色の苦みのあるハーブは肝臓の働きを助ける効能があるので、ウコン/ターメリックはアルコールをよく飲まれる方や弱い方、肝臓の病を持っている方、多く薬を摂取される方などにはとてもありがたいハーブです。日本でよく売られているウコンのドリンク剤は二日酔い止めのためとして売られていますが、結局はアルコールを摂取する前にウコンのエキスを飲むことによって肝臓の働きを活発にさせ、二日酔いにさせにくくしているのです。その効能がとても気になる方は一度、日本での飲み会の前にでも試してみるとよいでしょう。 

 ウコンは肝臓の働きを助けるばかりではなく、強力な抗炎症(anti-immflamatory)効果を持っているので、炎症による症状―例えば、筋肉痛、関節炎などにも効果を得ることができます。毎日摂取すると、気づかない自分の小さな体内の炎症問題も解決することができるので、この機会に一カ月ほど気にかけて摂取してみるのもよいと思います。さて、食事メニューとしては先程少し紹介しましたが、カレーとして摂取をするか、ハーブティーとしてドライのものか、フレッシュのものをスライスし、お湯で煮だして飲むとよいでしょう。直接、味の苦みを気にされる方は、粉末がカプセルに入っているサプリメントを摂取することもおすすめです。

 

活性炭 / Activated Charcoal(アクティベイテッド チャーコール)

 活性炭は日本でもカナダでも一般にあまり使うことのないサプリメントなのですが、この機会にご紹介したいと思います。ナチュロパスの間では食あたりや胃腸風邪など、口から入った毒素を持ったものを除去するために使うサプリメントの一つです。この、外での飲食の機会が多い時期、ちょっとしたオードブルなどから胃腸がトラブルを起こすことがあると思います。実際、主人も、どの食べ物が問題であったのか分かりませんでしたが、外食の際、胃腸風邪に近い症状と全身の痛みを訴えだしたので、活性炭を処方しました。皆さんがよく知っている活性炭の使い道は、冷蔵庫内の異臭の除去として、炭を冷蔵庫や冷凍庫に入れていたと思います。これと同じように細かく砕かれた活性炭は体内に入ると異物を吸収し、便とともに体外へ排出します。そのため、ちょっとでも異物を食べたと思ったら、数日摂取することにより長引く胃腸問題も早めに解決します。活性炭はサプリメントとしてカプセルまたは粉末でしか販売されていないので、食事から摂取することはできません。

 

ごぼう / Burdock(バードック)

 この時期、お節料理の煮しめの中や、たたきごぼうとして、たくさんごぼうが使われています。ごぼうは解毒・Detox(デトックス)効果が強く、お茶として飲むこともよいですが、積極的に料理をして食べることのほうが胃腸の働きを活発にし、お通じを活性化するので、とても優秀なデトックスには欠かせないハーブの一つです。

 誰もが体内を解毒し綺麗にしたいと思い、デトックスを行うのですが、ハーブなどで肝臓や胆汁、胃酸の働きを活発にさせて、活性炭や水性炭水化物などでそれらの毒素を吸収させ、集めることはするのですが、毒素を体内から排除するというところまでフォローをすることができず、排出の機会が少ないと、より多くの毒素が体内に集まり、逆にもっと体調を悪くする人がいます。排便、排尿、発汗させることにより体外へ毒素を出すことまでがデトックスです。サプリメントとしてもカプセルで販売されていますが、特に日本人はごぼうの食材レシピを数多く知っている唯一の人種だと思います。是非とも近頃入手しやすくなったごぼうを使った料理―きんぴら、煮物、炊き込みご飯などを存分に堪能するのもよいのではないでしょうか。

 最後に、お節料理にはそれぞれに意味があり、新年を迎えるにあたり縁起物として日本人の中では伝統として受け継がれているものですが、よくよくナチュロパス的にお節料理を一つ一つ見ていくと 体調の調整を考えたうえでのレシピと食材であると感心させられるものがあります。年末年始の忙しい時期にお節料理を作るのは面倒、食材も高いなどと思うことが多いと思いますが、気が向いたら一品でもお節料理を作って食べるのもよいのではないでしょうか。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。