2016年12月8日 第50号

 先月もレインクーバーらしい天気が続き、雨も多く降りました。そのせいか例年に比べ、少し寒い気がすると思います。

 長年カナダに住んでいながら、今年の冬は、少々日本の冬を思い出すような気にさせられるのは私だけでしょうか。

 数日の雨のため、日本と同じようにこのバンクーバーも湿度が高くなっているせいか、空気に含まれる水分も冷え、身体で感じる寒さが増し、身体の芯から冷える感じがするためであると考えられています。

 気温が下がり、湿度も高くなるととても寒く感じるので、嫌な冬だなぁと思うかもしれませんが、一点だけちょっとうれしいことがあります。湿度が高いと、インフルエンザが蔓延する確率が減るのです。そのため、今年はいつになくインフルエンザの話を聞かないと思いませんか? そのかわり、風邪やStrep throat、肺炎などのばい菌による風邪や病気にかかっている人の方が多いと思います。今回は身体を芯から温め、風邪や肺炎などにかかりにくい身体作りをしてみてはいかがでしょうか。

 この時期になるとクリスマスマーケットでよく見かけるホットワイン―Glühwein(グリューワイン)をご存知でしょうか?

 実はこの飲み物、風邪かな?と思っているときなどに飲むと風邪にかかりにくくなる大変素晴らしい飲み物なのです。飲んだことのない方に説明すると、色々なハーブ(みかんの皮、レモンの皮、シナモンやクローブなど)をワインに入れて温めてある飲み物です。ワインがすでに人肌ほどに温まっているので、身体を芯から温めることができるというのはもちろんのこと、使われているハーブのシナモンは特に体内にある悪寒を取り除く効能があり、またレモンの皮やみかんの皮に含まれているオイルやクローブは殺菌作用があるため、雑菌はもちろん、風邪菌などもまとめて除去するため、身体を温めながら殺菌することができるのです。

 子供にはグリューワインを飲ませるわけにはいかないので、同じようにこの時期手に入るアップルサイダーを温める時に、みかんの皮、レモン、少量のクローブにシナモンを浮かべて飲ませてあげると良いでしょう。またはクッキーを作るときに少量のシナモンシュガーを加えたりして、身体の芯から温めることのできるハーブを使い料理をするのも良いでしょう。

 常にサプリでしか風邪を予防できないと思わず、レシピに少し手を加えるだけで始められる予防法もあるので気にしてみてはいかがでしょうか。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

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