2016年12月1日 第49号

 生理がなかなか来ない。いつも、遅れがち。50~ 60日位の間隔でしか生理にならない。“いつもの事”と思っていても、何か気になる。だからといって何かに困るわけでもない。特別な症状に苦しめられる訳でもない。日常の仕事に支障を来たす訳でもないし、生活も普段と何ら変わりがない。だけどチョッと気になる…。こんな不安を持っている若い女性に向けて、今月は“稀発月経”についての情報発信をしたいと思います。まず、皆さんよくご存知の事ですが、月経が開始してから次回の月経開始までの間隔を月経周期と呼んでいます。25〜38日間隔位が正常とみなされています。今月のテーマの“稀発月経”とは39日以上の周期で発来する月経と定義されていますが、こんな“カタイ”表現よりも大雑把に“一カ月で生理が来ることは滅多になくて2〜3カ月に一度ぐらいしか生理にならない。時にはもっと長くて…”といった方々が対象です。よく聞く話ですが、“生理が滅多に来ないと楽ですよ〜。生理の前の“むくみ”や“イライラ”から開放されるし、生理痛や貧血からも開放されて…不快な一週間なんか無い方が、どれだけ楽で快適な毎日を送れるか…”などなど…。なるほどそうなのかもしれませんが、貴女の身体の中では何かが起きていて、他の人とは違ったパターンを示しているのかも知れませんね!

 原因疾患はとても多いのですが頻度の高いものについて紹介してみます。第一はホルモンバランスの問題です。生理とホルモンの関係はとっても大切で重要な相互関係を担っています。月経とホルモンの関係は文字どおり“女性ホルモン”が直接の担い手です。この女性ホルモンは上位中枢と呼ばれる他のホルモンによって制御されています。そのホルモン自体も更に上位中枢に制御されているという、とても複雑な関係になっています。さらに、その各々が相互に作用したり、抑制的に働いたりしながら複雑に作用し、緊密に連携をとりながら月経周期を調節しています。ここでその詳細をお伝えする事はできませんが“とても複雑で緊密な連携作用によって月経の周期性が保たれている”という事は重要なポイントの一つとして押さえて置きたいところです。このバランスを崩す原因の1つがストレスです。現代社会はストレス社会とも呼ばれ、主要な原因といっても過言でない程です。もう1 つの重要なポイントはこれらの中枢に疾患がみられるときです。子宮や卵巣は勿論ですが上位中枢の最も代表的な臓器である副腎、甲状腺、下垂体、更には、視床下部など多くの臓器が関与しています。これらの臓器に腫瘍や炎症、機能障害などが生じれば、やはり稀発月経を来たす事になります。

 ここまで読んで戴いただけでも、ため息が聞こえてきそうですが、原因疾患として、多くの可能性が有ると言う事であって、必ずしも“全て”ではない事を重ねて強調しておきたいと思います。可能性として有り得るという事で、過度な心配などは不要ですが、ご心配であれば医療機関を受診しましょう。受診時、2〜3回の月経周期の体温表を持参なさると早期診断に有効なばかりか診断を進める上で重要な手がかりになります。基礎体温測定はとても面倒な事です。朝の時間はとても貴重ですから。毎朝“起きたらスグに舌下で体温測定!”想像しただけでも“負けそう”ですよね!毎日でなくても2〜3 日おきでも良いではありませんか。“ここまでは記録ができました”と貴女の体温表を見せましょう。医療機関の方々は貴女の前向きな姿勢に感心し、暖かく迎えてくれます!不安を持たずに早めに受診、早めに解消!きっと、明るい毎日が貴女を待っていますよ!

 


杉原 義信(すぎはら よしのぶ)

1948年横浜市生まれ。名古屋市立大学卒業後慶応大学病院、東海大学病院、東海大学大磯病院を経て、杉原産婦人科医院を開設。 妊娠・出産や婦人科疾患を主体に地域医療に従事。2009年1月、大自然に抱かれたカナダ・バンクーバーに遊学。

 

 

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