2020年2月6日 第6号

 連邦上訴裁判所は4日、トランスマウンテンパイプライン拡張工事計画について原告の訴えを退ける判決を下した。

 同パイプライン拡張計画は、連邦政府が事業を進めているアルバータ州エドモントンからブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市までの既存のパイプラインを拡張する工事。2016年に自由党政権が計画を承認したが、2018年8月に関係する先住民族への説明責任と海洋環境への対策が不十分として、裁判所が承認を撤回した。連邦政府はこれを受け、再度先住民族との話し合いを進め、海洋環境への対策を改善したとして2019年に再度承認した。しかし、これに先住民族は政府の対応は不十分として再び訴えを起こしていた。連邦政府は、2018年5月にパイプラインをキンダーモーガン社から買収している。

 自由党政権は今回の判決について、政府として対応してきたことが認められたと記者会見でビル・モルノー財務相が語った。シームス・オリーガン天然資源相は、今回の決定でがっかりしている人たちもいると思うが、政府としてしっかりと対応したいと原告の先住民族にメッセージを送った。

 原告の先住民族の一つコールドウォーター・インディアンバンドのチーフ、リー・スパファン氏は、上訴するかも含めて他の先住民族代表らと対応を協議すると語っている。

 

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