2019年12月19日 第51号
トロントの地下鉄で粋なクリスマスプレゼントがミュージシャンに贈られた。
カナダ最大都市オンタリオ州トロントの地下鉄で音楽を披露して生計を立てているミュージシャンのギターケースに突然20ドルや50ドルのチップが入れられたという。ミュージシャンの名前はモー・グズマンさん。自分の目の前で大金のチップが入れられるのを驚いてみていたと振り返っている。
通常、公共交通機関で音楽を披露しているミュージシャンへのチップは1ドルや2ドルのコインで、多くても5ドル程度。それが時には100ドル札のチップが入れられ、なにごとかと思ったという。
種明かしをすれば、これはクリスマスサプライズだったらしい。トロントにあるマーケティング会社ズル・アルファ・キロが企画したクリスマスプレゼントだ。
同社はこのクリスマスプレゼント企画の実現にあたり、トロント・トランジット・コミッション(TTC)に連絡を取り、地下鉄で音楽を提供しているミュージシャンでこの企画に合う人を紹介してくれるよう協力を要請。地下鉄のミュージシャンはすべてTTCがオーディションを実施して決定しているという。
そこで、TTCが紹介したのがグズマンさん。本人にはプロモーションビデオを撮影すると語り、この日の彼の演奏を撮影。そこで、同社社員たち約40人が高額のチップを次々にギターケースに入れてその驚く表情を撮影した。グズマンさんは「なにごとが起こってるの?」と映像の中で言っている。
グズマンさんはびっくりしたとテレビインタビューに答えている。地下鉄で音楽を演奏する最大の喜びは、通りすがりの人々が音楽を楽しんでくれて笑顔になってくれることと言う。それでもこの日のサプライズは、長女が生まれたばかりのグズマンさん家族にとってはいいクリスマスプレゼントになったようだ。