2019年12月5日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州政府は11月27日、燃料価格開示法を可決した。これにより、石油会社はガソリン価格を設定している条件を提出する義務を負うことになる。もし違反すれば罰金などが科せられる。

 ガソリン価格設定情報の強制的な開示にBC州が踏み切った背景には、今年の夏に起きたガソリン価格の高騰があった。

 BC州、特にメトロバンクーバーでは一時1リットル1ドル70セントを超えるという、国内の他の都市と比べても異常な高騰ぶりを見せた。

 これを受けてBC州政府はBC公益事業委員会(BCUC)に調査を指示。その結果、1リットルにつき目的が不明な13セントが付加されていることが明らかになった。この時に、BCUCは石油会社各社に、この13セントの解明のためガソリン価格を設定している条件などの情報を開示するよう求めたが、石油会社はこれを拒否。結局13セントがなぜBC州のガソリン価格に含まれているのか不明なままとなった。

 1リットル13セントは1年間にすればBC州で約5億9千万ドルにもなる。特にバンクーバーではすべての生活費が高騰する中、年間6億ドル近い目的不明な料金を課せられていることになる。

 会社側は市場競争の中での繊細な企業秘密と反論しているが、今後は拒否すれば罰金、もしくは何らかの行政的な罰則が科されることになる。

 提出を求められた場合は、精製燃料輸入情報、卸売小売価格、精製所や貯蔵所の量などのデータを提出する義務が課される。

 現在メトロバンクーバーのガソリン価格は1リットル1ドル30セント前後で推移している。

 

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