2019年10月17日 第42号
選挙期間も残り少なくなったサンクスギビング週末の12日に、オンタリオ州ミササガで開催された自由党の支援者集会で、ジャスティン・トルドー首相がシャツの下に防弾チョッキを着用して登場していたことが分かった。
翌日に同州トロントのイベントに参加したあと記者会見したトルドー首相は、防弾チョッキ着用について「最優先としているのは自分の家族の安全と会場に集まってくれた人々の安全を確保すること。しかし今回のことで選挙活動の方法を変える予定はない」と語った。
防弾チョッキを着用した理由について詳細は公表しなかったが、支援者集会の前に何らかの脅迫があったという。12日は集会開始が90分遅れ、予定ではトルドー夫人が舞台でトルドー首相を紹介するはずだったが、トルドー夫人の出席は取り止めとなった。集会ではトルドー首相の周りを明らかに護衛と分かる男性らが取り囲んでいた。
しかし翌日のトロントでは防弾チョッキをシャツの下に着用している様子はなかった。記者会見では保守党の政策を繰り返し批判したトルドー首相だが、前日の事件は保守党関係者だと思うかとの問いには、保守党関係者のかかわりは確認されていないと否定した。
トルドー首相への脅迫事件を受け、新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首も、保守党アンドリュー・シェア党首も、例えどの党であっても党首が脅迫を受けるということは民主主義のカナダであってはならないことだと同日のうちにツイッターでメッセージを送った。
シング党首は14日にブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で記者会見し、改めてトルドー首相への脅迫事件について非難し、自身についてはこれまで脅迫を受けるようなことは起こっていないと語った。