2019年8月8日 第32号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドで毎週末開かれているナイトマーケット。そこで開催されるコンサートの騒音のため、蒸し暑い夜でも窓を閉めなければ寝られないという苦情が、近隣住民から出されている。
「どこかへ逃げ出すこともできず、全く休まらない」と地元メディアに訴えるのは、マーケットの会場から400メートルほど離れたウェスティン・ウォールセンターの11階に住むリーサ・スティールさん。ナイトマーケットは5月から10月初旬までの毎週金曜日から日曜日の夜、開催されている。そのメインステージでは様々な演奏が繰り広げられるが、その大音量の音が窓を締め切ってもよく聞こえ、眠れないという。
ナイトマーケットが始まって間もない5月19日、スティールさんはこのことを市の条例課に相談した。同じマンションに住む住民も騒音に困っているに違いないと思ったスティールさんは、自分が先例を作るべきだと思い、行動に至った。
条例課との何度かのやりとりの末、スティールさんは自室の騒音を客観的に判断してもらうため、バンクーバー・コースタル保健局の職員に、ナイトマーケットが開催されていない時と開催中の室内の騒音レベルを測定してもらうこととなった。その結果明かになったことは、マーケットの時間外でもすでに騒音レベルは上限値を超えていたということ。保健局はその原因を、マンションの下を通る主要道路の自動車によるものだとした上で、ナイトマーケットが顕著な騒音を追加していることはないと判断、ナイトマーケットが条例に違反しているとは言えないと報告している。
一方スティールさんは、ナイトマーケットの主催者であるターゲット・プロダクションにもコンタクトを試みている。何度も留守番電話にメッセージを残した後、ようやく担当者と会話ができたスティールさん。彼女は、コンサートステージのスピーカーがまっすぐ自分の部屋に向かって大音量を流していることを説明、音量を下げるよう求めた。電話口の女性も、その方向で対応すると語ったという。
そのためか、それ以来夜の遅い時間の音量が少し下がったような気がすると話すスティールさん。ただ、この変化が今年のマーケット終了まで維持されるかどうかはわからず、注意する必要があると話している。