2019年8月8日 第32号

 カナダ政府デイビッド・ラメッティ法務相は8月1日、ケベック州モントリオールで会見し、マリファナ所持の犯罪歴を消滅させる恩赦の手続きを同日から実施すると発表した。

 カナダは昨年10月に先進国では初めて嗜好用マリファナ使用の全面合法化を実施。マリファナ使用が犯罪ではなくなった。

 自由党政権ジャスティン・トルドー首相は2015年総選挙時に、マリファナの合法化と合法化後のマリファナ恩赦を公約としていた。

 マリファナの使用が合法化されて以降、それまでにマリファナ所有で有罪判決を受けた人々への恩赦について焦点となっていた。背景には、白人の所有は見逃される場合は多く、黒人や先住民族には有罪判決が下りるという人種差別がある。

 ラメッティ法務相は、多くのカナダ国民、特に黒人や先住民族コミュニティーでマリファナが違法だった当時の制度の影響を受けてきたと述べた。法務相によると、これまでの制度では5年が経過しなくてはマリファナ恩赦申請できず、631ドルを支払わなくてはならなかったという。今回の改正では同日から無料で申請することができる。法務相は「(マリファナ)犯罪歴を持った人々がようやくその重荷から解放され、新たな人生を歩み出すことができる」と述べた。

 マリファナ所持の犯罪歴がある場合、アメリカへの入国が拒否されるため、法務相は今回の措置では申請者のマリファナ所持歴がカナダのデータベースから削除されるためアメリカ入国も可能になるとの見解を示している。

 8月1日から恩赦への申請ができるのは、犯罪歴がマリファナ所持のみの国民となっている。

 

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