2019年8月8日 第32号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で8月4日に開催されたLGBTQ(性的少数派)コミュニティーの祭典プライドパレードに、連邦政党3党首が参加した。

 参加したのは、自由党ジャスティン・トルドー首相、新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首、グリーン党エリザベス・メイ党首。

 今年は10月に総選挙が行われるため、各党ともすでに選挙戦モードに突入しているが、この日は3人揃って一緒にパレードに参加した。バンクーバー市ケネディ・ストゥワート市長も連邦議員としてではなく、市長として首相らとともにパレードした。

 トルドー首相は、「こういう時に一緒になって参加するということに非常に意味がある」と語り、「人権のために、これまで社会から除外されてきたコミュニティーのために、立ち上がることが必要」と参加する意義を語った。

 メイ党首は「これがカナダ。自由党の首相、NDPのジャグミード・シング党首、グリーン党の私が一緒に行進する」と語り、これから選挙戦に入り議席を争うことになるが、カナダにとって大切なことは協力する、それは党派を超えたことであり、これがカナダとしてのアイデンティティと語った。

 シング党首は、こうして3党の党首が肩を並べてプライドパレードに参加するというのは、カナダの性的少数派コミュニティーへの団結を示すものと語り、しかし政策はそれを超え国民が祝福しあうものでなければならないと語った。

 3党の党首が揃ったパレードだったが、保守党のアンドリュー・シェア党首だけは参加しなかった。保守党広報は、保守党は全てのカナダ国民の人権と安全のために努力しているし、その中にLGBTQコミュニティーも含まれているとの声明を発表したが、シェア党首の欠席については説明しなかった。プライドパレードは全国各地で開催されているがシェア党首は参加していない。

 トルドー首相は、アンドリュー・シェア党首も今日ここで一緒に行進して性的少数派であるために差別を受けている子供や若者に向けてメッセージを贈ってもらいたかったと語った。

 

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