2019年5月9日 第19号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港で4月30日、航空機の事故を想定した大規模な事故対応訓練が行われた。
事故のシナリオは、空中でヘリコプターと接触した旅客機が同空港へ緊急着陸したというもの。着陸装置も大きなダメージを受けていたため胴体着陸となり、炎に包まれた機体に対する救助を行うという、奇しくもモスクワの空港で5日に起きた事故を予見したかのような想定で、航空機事故対応に関連する25の部署から、総勢500人以上が訓練に参加した。
バンクーバー空港会社の運行管理担当、ロビン・マクビッカー副社長はメディア向けアナウンスの中で、同空港が安全第一を実現するために、想定外の事故にも対応できるように訓練を行うことの重要性を強調していた。
空港内に設けられた訓練場所には、着陸のショックで大破した旅客機に見立てた救助訓練用の機体が置かれ、救助隊がけが人の搬出訓練などを行った。さらにけが人に初期治療を施す訓練も隣接した場所で行われた。多くのボランティアが犠牲者やけが人、さらに駆けつけた家族や報道陣などに扮し、事故発生に伴い起こりうる様々な場面をできるだけ再現する訓練となった。
マクビッカー副社長は、部署間の連携がうまく取れ、訓練がスムーズに行われたことに触れ、この経験をより現実的な緊急事態対応プラン作成に役立てるつもりだと語っていた。
また極めて大規模な訓練だったにもかかわらず、空港の通常業務には何ら影響を及ぼさなかったという。