2019年4月4日 第14号

 ノバスコシア州北西部、かつてフランス系移民の中心地であったアナポリス・ロイヤルで、カナダ最古と思われる墓地が地中に埋もれていることが、調査から明らかになった。

 場所は、同地域にあるフォート・アン国定史跡の一角。同州ハリファックスにあるボレアス・ヘリテージ・コンサルティングが、地中を探るレーダーで調査を行った結果から結論づけた。同社の考古学者サラ・ビーンランズさんによると、今回特定された墓地と、隣接する1605年のフランス系移民のポート・ロイヤル国定史跡がアカディアン(カナダ南東部で植民地を開拓した、フランス移民)の発祥の地だと説明する。

 この地には最初、スコットランド系移民による要塞が1692年に築かれていた。その後フランス軍が占領、1710年のポートロワイヤルの戦いでイギリス軍に陥落させられるまでは、フランス植民地の中心であった。またヨーロッパからの移民が到着する以前は先住民ミクマック族が暮らしていた。

 今回の調査では、ドローンやLIDAR(LIght Detection And Ranging)を用いて、微細な地面の起伏までを計測。その結果から選定された縦10メートル横18メートルほどの区画を、地中レーダーによってスキャンした。こうして得られた地下3メートルまでの3次元画像には、鮮明ではないものの南北方向に向けられた19個の影が、地下1メートルの深さのところに等間隔に並べられていることが確認できた。

 この並べ方は、隣接するイギリス系移民墓地と一致する。

 最終的に墓地の存在を証明するためには、時間と費用がかかる発掘調査を行う必要があるが、今のところその予定はないと、ビーンランズさん。そのかわり、今月からは史跡を管理するカナダ公園局やノバスコシア州コミュニティカレッジの応用地理情報学研究グループ、またウェブ上で史跡地図を作成しているボランティアグループの協力を得て、調査地域を拡大する予定だとビーンランズさんは取材に語っていた。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。