2019年2月21日 第8号
低迷するアルバータ州の石油・ガス産業の救済を訴え、トラック200台が19日、首都オタワの国会前に集合した。オイルサンドを運搬するためのパイプライン建設の早急な実現と、炭素税の廃止、石油・ガス産業に影響を及ぼす環境審査基準の引き下げを、自由党政権に訴えた。さらに、ブリティッシュ・コロンビア州沿岸北部から石油を運ぶためのタンカー運航禁止の撤廃も訴えている。
「カナダのためのトラック集団」と自称するデモ隊は、トラックや自動車でオンタリオ州オタワを目指して2月14日に、アルバータ州レッド・ディアーを出発。途中、サスカチワン州レジャイナ、マニトバ州ウィニペグ、オンタリオ州スーセントマリー、サドベリー、ノース・ベイを通過。賛同する人たちに参加するよう促し、オタワへと入った。
当初はカナダの「イエローベストトラック集団」と名乗っていたが、他のイエローベスト集団がイスラム教や移民者への差別的な表現を使用していたことで批判が出たため、名前を変更した。ただ、イエローベスト集団は、自分たちは移民への差別を助長しているわけではなくカナダ政府の移民政策を懸念している、と主張。差別的な意図はないとして今回のデモ隊とともにオタワに到着している。
デモの主催者は、カナダの在り方を心配しているということでは移民問題も同じ、暴力的な行為に出ない限りデモ参加に問題はない、との見解を示している。
オタワでは、野党保守党アンドリュー・シェア党首が、「カナダには、そろそろエネルギー産業を誇りに思う首相の誕生が必要だ」と集団に対して語りかけた。カナダ国民党マキシム・ベニエ党首も集団を出迎えた。