2019年2月14日 第7号

 ジョディー・ウィルソンレイボールド復員軍人大臣兼国防副大臣が12日、ジャスティン・トルドー首相に宛てた書簡で辞任を表明した。書簡は自身のツイッターにも掲載している。

 ウィルソンレイボールド復員軍人相は、現在自由党政権を激震させているSNC-ラバラン社救済問題で中心にいる人物。

 SNC-ラバラン社救済問題とは、ケベック州モントリオールに本社を置くカナダ最大の建設会社SNC-ラバランが、リビア事業関連の契約獲得のためにリビア政府高官に約4800万ドルを支払ったとされる詐欺と贈賄容疑で訴追されている件について、トルドー首相もしくは首相事務所が当時法務相だったウィルソンレイボールド氏に、ラバラン社が裁判を回避できるよう圧力を掛けたとされる問題。今月7日に、カナダ全国紙グローブ&メールが1面掲載して明らかになった。

 記事掲載以降、ウィルソンレイボールド氏は記事内容の真偽について一言も語っていない。同紙によれば、事務所からの圧力にもかかわらずラバラン社救済を拒否したため、今年1月の内閣改造で法務相から復員軍人相に降格させられたという。

 トルドー首相は、前法務相に直接的な圧力はなかったと記事内容を否定している。12日には訪問中のマニトバ州ウィニペグでの記者会見で、「正直言って(復員軍人相が)辞任を決意したことについて驚いているし、がっかりしている」と語った。自由党政権としては間違った対応をしていないことを強調し、もし違う意見があれば首相に問題提起するのは閣僚としての義務であり、ウィルソンレイボールド大臣を含め誰からもそうした意見は出なかったと語った。

 復員軍人大臣兼国防副大臣は、後任が決定するまでハルジット・サージャン国防相が兼任する。

 

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