2018年12月6日 第49号

 オンタリオ州トロント近郊の公園で11月25日、後産が捨てられているのを通りかかった人が発見し、警察が大規模な捜索を行った。しかしその後、捨てた女性が名乗り出て事件性はないことが明かになった。

 後産が発見されたのは、トロントの西隣の人口72万人ほどのミシサガ市にある、シュガー・メープル・ウッド公園。犬を連れて散歩していた人が、血にまみれた後産を発見し警察に通報した。この時点では、誰かがその場で出産して立ち去ったと思われ、その女性に医療措置が必要かも知れないということから、大規模な捜査が開始された。

 しかしこの件がメディアで報じられて間もなく、この後産を投棄した本人が名乗り出た。それによると、彼女は1年前、同州南西部の人口9万7千人ほどの都市ブラントフォードの自宅で出産後、「神聖的な」目的で後産を保管していた。

 そして出産から1年後の11月22日、後産を自然に還すことを決め同公園を訪れ投棄した。

 このことが明らかになり事件性がないと判断した警察は、捜査を打ち切った。その一方で、公共の場に臓器の一部を投棄することは、公衆の安全を脅かすことになると警告している。また動物がそれを拾う可能性や、誰かが殺傷事件に巻き込まれたとの誤解を招き、警察が不必要な捜査を行う可能性を指摘していた。

 

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