2018年11月15日 第46号
連邦保守党のトニー・クレメント議員がセクハラで離党した。保守党政権時代には閣僚も務めたベテラン議員のソーシャルメディアによる性的不適切行為に保守党は振り回された。
6日にクレメント議員は自身で、これまでの3週間に自身の性的に露骨な写真やビデオをソーシャルメディアを通して女性に送信していたことを明かし、この女性に恐喝されていたとも明らかにした。クレメント議員自身は女性とは面識はないが、性的な写真などをお互い同意の上で送信していたと思っていたという。しかし実際には女性は恐喝者で金銭を要求され、そのことをオタワ警察にも相談していたと説明した。
さらに、この女性が外国の女優だと思っていたということも語っている。
この件を受けて保守党アンドリュー・シェア党首は1度だけの事件ということで離党を迫ることはないと語っていたが、その後、クレメント議員によるセクハラが他にも党内で発覚したことから、同議員に離党を要求したと語った。
しかし今回の事件は、ただのセクハラ事件では止まらなかった。クレメント議員は、連邦政府が立ち上げた国会議員と情報機関による国家機密情報安全委員会の委員に選ばれている。ここで話し合われた事項は一切、外部へと漏らすことができないことになっている。
今回のクレメント議員の軽率な行動は機密事項を引き出すための罠だったのではとの推測もある。さらに重要な委員会の委員がこうした軽率な行動を取ることで、外部に対してカナダの信用も失うのではないかとの危惧を表す声も関係者から聞こえていると各報道機関が伝えている。
今回の恐喝事件について、現在は連邦警察が担当して捜査を行っている。
クレメント議員は自身の軽率な行動を謝罪。しかし、来年に控える連邦選挙では無所属で出馬したい意向を示している。