2018年10月18日 第42号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーで、日本人留学生が2016年9月に殺害された事件の裁判で、第2級殺人と死体遺棄の罪に問われているウィリアム・ビクター・シュナイダー被告(51)が15日に死体遺棄を認めた。これまではどちらの罪についても無罪を主張していた。裁判は9月24日にBC州最高裁判所で始まった。

 語学留学のため滞在していた日本人女性の古川夏好(こがわなつみ)さん(30)が行方不明になったのは9月8日、それから約3週間後にバンクーバー市ダウンタウンの空き家で遺体が見つかった。

 9月24日から開かれた公判では、検察側が遺体発見の状況やシュナイダー被告が殺害を認める発言を家族にしていたことなどが明らかになった。

 古川さんは2016年9月8日から行方がわからなくなり、12日に友人が警察に行方不明を報告。バンクーバー市警は、9月8日にシュナイダー被告が古川さんと一緒に歩いている様子が映っていたダウンタウン・ハーバーセンターのセキュリティカメラの映像を公開し、行方を捜していた。そして同年9月28日にバンクーバー市ダウンタウンの空き家で発見された女性の遺体が古川さんと断定したことを同30日に発表した。遺体が発見された同日に同州バーノンにいるところをシュナイダー被告は逮捕された。

 この時シュナイダー被告の居場所を警察に報告したのが、被告の兄弟ウォーレン・シュナイダーさんだった。警察が公開した映像を見た被告の姪が父親に報告したという。ウォーレン・シュナイダーさんも証言している。

 シュナイダー被告は古川さんの遺体をスーツケースに入れダウンタウンの空き家まで運んだことは認めたが、どのように死亡したかについては知らないと語っている。警察は死亡原因を特定できていない。

 裁判は今後、裁判員の判決を待つことになる。

 

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