2018年10月4日 第40号
太平洋戦争中、ブリティッシュ・コロンビア州の日系人が強制収容され、その収容先で高速道路工事に従事させられた記録を示す案内板の除幕式が9月27日、同州内陸部で行われた。場所は、ロッキー山脈の中を走る高速1号線ぞいの町、レベルストークの西にあるルースフォード・ビーチ・レストエリア。
案内板設置は、BC州政府の主導による、高速道路建設に寄与した日系人の強制移動の歴史を残すプロジェクト『日系人強制収容75周年記念表示プロジェクト』の一環として行われてきた。このプロジェクト自身は、強制移動75周年を機に、かつて日系人収容所や工事現場(ロードキャンプ)に関連の深い場所に案内板を設置するプロジェクトとして、昨年開始された。昨年10月に、高速3号線ぞいのタシメで最初の案内板の除幕式が行われたのを皮切りに、6号、12号および31号沿いと相次いで設置が進められてきた。今回は、その最後となる8つ目の案内板の除幕式だった。
日系カナダ人の歴史プロジェクト委員会会長のローラ・サイモトさんは、案内板は過去が忘れ去られないために重要な役割を果たすと述べている。
また当日は、実際に強制移動を経験したストーニー・ナカオさん(97歳)も式に参列、「道路建設工事に従事したことは、自分の人生の中で重要な意味を持っている」と取材に語っている。ナカオさんは他の日系人たち約400人あまりとともに、日給20セントで工事に駆り出されていた。
除幕式に参列した地元高校生のグレース・ビューターさんは、これから未来を担っていく自分たちの世代では同じ誤りを繰り返したくないと感想を語っている。ナカオさんは「今日は特別な日だ」と、この除幕式に参列できたことをとても喜んでいた。