2018年10月4日 第40号
ブリティッシュ・コロンビア州ピッツメドウ市にあるバス停が、北米で最も情けないバス停に選ばれた。
このバス停は、同市を走るローヒード・ハイウェイ脇のバス停。高速道路脇には待合所のようなものや、乗客を乗り降りさせるためにバスを道路脇に一時停止させるような特別なスペースも何もない。また高速道路と外の草地を分離するための、高さ80センチほどのコンクリート製ガードレールが設置されているため、バスを待つ乗客はガードレール外で待ち、バスが来たらこのガードレールを乗り越えるか、ガードレールの内側で、猛スピードの車が目の前を走り去るのを見ながら待つかのどちらかになる。
このバス停を北米で最も情けないバス停に認定したのは、公共交通機関や徒歩、自転車といった車に頼らない交通手段の環境改善を啓蒙している団体、ストリート・ブログ。『アメリカで最も情けないバス停』と題されたネット上での投票コンテストでは、本来アメリカ国内のバス停が対象となるはずだった。しかしピッツメドウ市のバス停があまりにひどすぎ、1位の米オハイオ州シンシナティ市のバス停(得票率52バーセント)に肉薄していた。
ところがシンシナティ市の公共交通機関を運営する南西オハイオ州地域交通局は、この事実に対し迅速に対応、安全性の見直しをおこなって南へ100メートルほど移動させ、安全性を向上させた。これに対し、ピッツメドウ市などBC州ローワーメインランドの公共交通機関を運営するトランスリンクはメディアの取材に対し、バス停がある場所はBC州政府の土地であり、州政府に改善の要望を出していると回答しただけだった。
その結果、このバス停が名誉ある『北米で最も情けないバス停』に決定された。BC州政府交通局は、トランスリンクと協議を行い、このバス停の安全性改善の方法を探ると取材に語っているが、具体的な日程などについては明言を避けた。