2018年9月6日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドにあるトランポリン遊戯施設、エクストリーム・エア・パークで、事故が続いている。

 8月29日には、教会が主催するサマープログラムの一環で、リッチモンド市の同施設を訪れていた10歳のチェースちゃんが、ロッククライミングの壁から転落、床にたたきつけられ大けがを負った。

 子供たちはロッククライミング用のハーネス(自分の体重をロープにゆだねるための、腰と太ももに装着する支持器具)を着け、クライミング用の壁に掛けられていたロープにハーネスを接続、ロッククライミングを始めた。なお子供たちの様子を従業員が監督していたのは、最初のうちだけだったという。

 チェースちゃんと親友は約4・5メートルまで壁を登ったが、そこからロープ伝いに降りようと、ハーネスにつけた器具とロープの摩擦を調整してしてゆっくり降り始めるはずだった。しかし器具が壊れていたか、適切に固定されていなかったせいで、チェースちゃんはその高さから落下、床にたたきつけられた。床には保護マットなど衝撃を和らげるものはなかった。

 チェースちゃんは左足骨折のほか、左ひじと右手首も骨折、さらに顔の骨も3カ所ひびが入った。教会からの引率スタッフの一人が看護師で、すぐさま応急処置を施した。その後チェースちゃんはBC州小児病院へ搬送されたが、今後2〜3カ月は車いすの生活になるだろうと、チェースちゃんの叔父が取材に語っていた。

 この事故に関するメディアの問い合わせに、エクストリーム・エア・パークは応じていない。この施設では、これまでにも何回か事故が起きている。1月には46歳の男性が、トランポリンからジャンプして飛び込めるよう、ウレタンフォームの立方体で満たされたピットに飛び込んで心臓麻痺を起こし、死亡している。また8月にも、誕生日パーティーで同じ施設を訪れていた3歳児が、トランポリンを保持しているスプリングの隙間から、トランポリン下の床に転落する事故が起きている。さらに今月1日には、ニューウェストミンスター市にある同施設で、4歳の少女が左足を骨折したほか、左足首にひびが入った。この事故に関しては、施設側が当時の様子を撮影した動画を公開、この少女の父親が、施設では禁止されている『ダブルジャンプ(一人が跳ねるタイミングを狙って、別の人物がトランポリンに飛び込み、トランポリンの跳躍力を増加させる技)』を行っていたと指摘している。

 いずれにせよ、事故が頻発することを憂慮する人々の間からは、利用者の安全を守るための規制を設けるべきだという声が高まっている。さらに医療関係者からも、トランポリン・パークでの事故の多さを問題視する動きが出ている。

 

 

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