2018年8月30日 第35号
交渉が難航していたカナダ、アメリカ、メキシコが参加している北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉のため28日、クリスティア・フリーランド外相がアメリカ・ワシントンDC入りした。
NAFTAについては、先週アメリカとメキシコが2国間交渉を続け、26日には2国間協議で合意したと発表した。
これまでカナダだけが蚊帳の外という状況だったが26日にジャスティン・トルドー首相は、アメリカ・メキシコの2国間協議合意はカナダにとっても歓迎すべきことと語っていた。
ワシントン入りしたフリーランド外相は、アメリカ通商代表部ロバート・ライトハイザー代表と会談。「建設的な話し合いができた」と笑顔を見せ、29日にも再びライトハイザー代表と詳細な協議が予定されていると記者団に語った。この時の記者会見では、三者協議の可能性については言及したものの、予定されているとは明言しなかった。
28日午後には、メキシコの代表と会談している。
トルドー首相はカナダのNAFTA再交渉参加について29日、カナダにとって非常に重要な協定との認識は示したものの、28日に記者団に短い会見で語ったと同様に、この日も、カナダの酪農業を保護する保護措置制度を廃止するつもりはないと、この点については譲歩しない考えを示した。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、カナダの乳製品に対する保護措置を批判している。
3カ国は31日までの合意を目指している。ただカナダとアメリカの間には依然大きな隔たりがある。トランプ大統領は、カナダが3カ国の合意に応じない場合には、カナダからの自動車輸入に対して、高関税をかける可能性があると警告している。トランプ大統領はカナダの乳製品への保護措置解除を引き出したい考えを示している。
フリーランド外相は、3カ国交渉について楽観的な見方を示している。