2018年7月19日 第29号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの温室で、数年に一度しか開花しない世界最大の花が、開花した。
その形がロウソクを乗せた燭台に似ていることからショクダイオオコンニャクの和名を持ち、また開花すると激しい腐臭を放つことから、英語では『Corpse flower (死体の花)』とも呼ばれている。開花の年には葉をつけず、地中の球茎から直接、太い花序とその上部のロウソク状の付属体を高く伸ばす。その高さは大きいもので3・5メートルにもなる。またそれを包み込む両手のように、仏炎苞と呼ばれる2枚の花弁が大きく開く。花序に密集する小さな花が開花すると、受粉の仲立ちをする甲虫類を臭いで引き寄せるため、付属体から肉が腐ったような強烈な匂いを発散させる。
インドネシア・スマトラ島の熱帯雨林に自生するこの花が15日夜に開花したのは、同市クイーンエリザベス公園内のブローデル温室。
発芽から開花までに、普通7年から10年かかると言われているが、『アンクル・フェスター(Uncle Fester)』とあだ名が付けられた同温室のものは、6年で開花となった。先週から花が開く兆候が現れ、メディアなどが取り上げていた。また温室を管理するバンクーバー公園委員会は、多くの人にこの珍しい花を目と鼻で楽しんでもらえるよう、温室の営業時間を拡大した。
花の寿命はおよそ2日間と短く、花が閉じると臭いも収まり、付属体(ロウソク部分)は茶色く変色し倒れ仏炎苞も縮むように閉じてしまう。
BC州でこの花が咲いたのは、今回が初めて。なお、アルバータ州エドモントンでは今年初めに、マッタート温室で栽培されていた、『ギャグニーズ』と名前が付けられた同じ花が咲いている。