2018年7月19日 第29号

 カナダ保健省は9日、心臓発作や脳卒中を防ぐための高血圧症治療薬の中に、発がん性物質が混入しているものがあるとして、28銘柄の降圧薬バルサルタンをリコールした。

 混入したのはN─ニトロソジメチルアミン(NDMA)で、長期にわたって摂取した場合に、がんを引き起こすことが確認されている。

 リコール対象となった降圧薬を製造していた5社は、いずれもその原薬を中国の浙江華海薬業(Zhejiang Huahai Pharmaceutical)から仕入れていた。なお同社は上海証券取引所に上場しているほか、日本などにも現地法人を設立している中国の大手医薬品メーカーで、高血圧治療薬の原薬では世界トップレベルのシェアを誇っている。今回のリコールは米国、日本、ヨーロッパなど世界各地で起こっている。

 カナダ保健省では、降圧薬を使用中の人は薬剤師に連絡を取り、薬がリコール対象かどうかを確認するとともに、適切なアドバイスを得るよう呼びかけている。また医師や薬剤師からの指示がない限り、降圧薬の使用を突然中止しないよう、念を押している。

 なお、リコール対象となった降圧薬(valsartan)の全リストは、カナダ保健省のウェブサイトで確認できる(『valsartan』『contamination』『recall』で検索)。

 

 

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