2018年7月5日 第27号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのレストランマネージャーが、トランプ米大統領の唱える『偉大なアメリカを取り戻せ(Make America Great Again-MAGA)』というスローガンをあしらった野球帽の顧客に退席を求めたことを理由に、解雇された。
ダリン・ホッジさんがマネージャーを務めていたのは、同市スタンレー公園内にあるレストラン、ティーハウス。「MAGA野球帽は人種差別に、偏見、イスラム教嫌い、女性嫌い、白人至上主義や同性愛嫌いの象徴となっている」というコメントを発表したホッジさん。そして自分の道徳観念に基づいて、そのような帽子を店内で着用していた顧客に退席を求めたとし、解雇されても自分は後悔していないと語っている。
これに対し、同レストランの親会社セコイヤ・カンパニー・オブ・レストランは、アメリカの現政権や、他の政党を支持していることを理由に顧客を差別することは、同社の『許容主義』に違反するとして、ホッジさんを先週解雇した。
MAGA野球帽はこれまでもカナダ国内で論議をかもしてきている。昨年6月には、アルバータ州カルガリーの学生が、MAGA野球帽をかぶっていた若者と口論している様子を撮影した動画がインターネット上に投稿され、この学生に殺害予告が送られる事態になった。この中で学生は、MAGA野球帽は差別言語だと非難。この言葉には、白人のための国家、移民も性的多様性も拒否する姿勢があると指摘していた。