2018年6月28日 第26号
カナダの大手新聞社グループ・ポストメディアが26日、コミュニティ紙6社を閉鎖、4紙の発行削減を発表した。さらにグループ全体で今年8月31日までに10パーセントの人件費削減を目指している。
ポストメディアによると、閉鎖するのはアルバータ州の2社とオンタリオ州の4社。さらにマニトバ州の1社、オンタリオ州にある小規模日刊紙2社を印刷からデジタルに完全移行する。ただ週末版は引き続き発行する。これまで週2回発行していたアルバータ州の1社は週1回の発行に削減する。
ポストメディアは厳しい決定だが、経営上必要不可欠な措置と発表している。
人員削減については、早期依願退職制度を適用して対処するが、目標に達しなかった場合は、さらなる人件費削減策を講じるとしている。
ポストメディアは、全国紙ナショナルポストをはじめ、バンクーバーサン、プロビンス、カルガリーヘラルド、オタワシチズンなどの大手地方紙を含むカナダ最大手の新聞社グループ。昨年11月にはカナダ最大地方紙トロント・スターの親会社トースター社と41のコミュニティ紙交換契約をし、そのほとんどの新聞を発行停止して非難の声が上がった。
ポストメディアの職員で構成されている労働組合は、国内の新聞産業を守るために連邦政府の介入が必要と訴えている。
コミュニティ紙だけではなく、大手紙も、広告料の激減などで生き残りが厳しくなっていると専門家は分析している。