2018年4月12日 第15号

 北米自由貿易協定(NAFTA)の合意に向けた話し合いのためにアメリカ・ワシントンDCを訪問中のクリスティア・フリーランド外相は6日、記者団の質問に答え、交渉が前進していることを強調した。

 フリーランド外相は「さらに前進した議論の過程に入った」と語ったが、具体的に合意に至るかどうかは言及しなかった。ここ2日間ほど3カ国で話し合いを続けているが、これからも話し合いは続くと述べるにとどまった。

 同日トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画について説明するためにアルバータ州フォートマクマレーを訪問していたジャスティン・トルドー首相は記者会見でNAFTAについて「カナダ国民の雇用を確保するために政府として、これまで同様に必要な交渉を続けるが、近いうちにいいニュースが入ってくることを期待している」と述べた。ただ最終合意がいつ頃になるかについては言及しなかった。

 カナダ、アメリカ、メキシコの3カ国は昨年8月からNAFTAの再交渉を続けている。これまでに開かれた公式な交渉会議はすでに7回を数え、今回で8回目。これまでほとんど進展はなく、トルドー首相が合意に至らない可能性もあると発言するほど行き詰っていた交渉が、4月になり急に明るい兆しを見せ始めた。

 アメリカ側が自動車の原産地規制について譲歩したと報道では伝えられ、アメリカ政府にメキシコ大統領選までには交渉を妥結したい理由があるとも伝えられている。

 アメリカのドナルド・トランプ大統領も5日に「もうすぐ何かニュースがあると思う。楽しみにしてほしい」とNAFTAについて言及し、楽観視する雰囲気が漂っている。

 しかしロイターは8日、関係者の話として、期待されていた今月13、14日にペルー・リマで開催される米州首脳会議での発表には至らないだろうとの見方を紹介した。10日、ホワイトハウス報道官は、トランプ大統領がリマでの会議に欠席することを発表した。

 

 

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