2018年3月29日 第13号

 ニューファンドランド・ラブラドール州東部、トリニティ湾に面した人口700人弱の町ハーツ・デライト沖で18日、ハナジロカマイルカ(white-beaked dolphin)6頭が流氷に閉じ込められ、外海に出られなくなった。

 さらに22日には風向きが変わり、流氷が岸に向かって集まり始めて海水面はさらに縮小、イルカたちは狭いエリアをぐるぐる回りながら泳ぐようになり、その安全性が危惧されていた。一時は、海洋漁業省の船で氷を割り逃げ道を作る案も出たが、イルカが動揺して沖に上がってしまったり、氷の下に潜り込み浮上できなくなったりする恐れから実行できずにいた。

 その状況を救ったのは、地元消防団のスタン・レッグさん。彼はパワーショベルを用いて、町の突端部分にある埠頭に接岸していた流氷を取り除き、外海につながるルートを確保し始めた。そしてある時点で風向きが変わり、流氷が岸から離れ始めると、イルカたちは無事外海のトリニティ湾に脱出することができた。

 このイルカの状態をモニターしていた海洋漁業省によると、狭いエリアに閉じ込められていたものの、イルカの健康状態に異常は見られないという。

 

 

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