2018年3月15日 第11号

 リゾート地として有名なメキシコのプラヤ・デル・カルメンで先月、フェリーで爆発物が爆発、乗客が負傷する事件が起きたことを受け、アメリカとカナダが同地への危険情報を発出した。しかし春休みを目前に控え、多くのカナダ人は同地へのバケーションを変更しないようだ。

 爆発が起きたのは2月21日。沖合の島コスメルとの間を行き来する観光フェリーがプラヤ・デル・カルメンに到着、観光客が下船している最中に起き、26人が負傷した。また1日には同じ航路の別のフェリー船内で爆発物が発見された。このためカナダ政府は12日、不要不急の旅行を避けるよう勧告する危険情報を出した。

 メキシコ当局は、爆発物はテロや犯罪組織によるものではないとし、プラヤ・デル・カルメンの治安維持に努めるとともに、現地での観光業は通常通りで、ホテルの稼働率も80パーセントほどだと発表している。

 一方、メディアがアルバータ州カルガリー空港で11日、同地に向かう観光客に対しこの件についてインタビューしたところ、滞在中はリゾート内にとどまり、フェリーの利用も控えて安全に注意すると答えていた。

 しかし現地に詳しい専門家は、安全な場所はどこにもないと警告している。メディアの取材に応じたのは、メキシコで13年間、麻薬捜査に従事、今は退役した米国麻薬取締局捜査官のマイク・バージルさん。メキシコのカリブ海沿岸で頻発する事件は、麻薬カルテル同士の抗争が原因で、彼の経験からは、この地域全体が危険地域だという。

 カナダ政府によると、メキシコ全体の犯罪発生率は高いものの、メジャーな観光地では全国平均以下で、年間210万人以上のカナダ人が同国を訪れているが、事件に巻き込まれることはまれだとしている。

 

 

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