2018年3月8日 第10号
オンタリオ州野党進歩保守党(PC)の党首選は1日に党首討論会が行われ、4立候補者それぞれが持論を展開した。
経済問題、炭素税問題からカナダで続く議員の性的不適切行為問題、子供の性教育まで、さまざまな問題が取り上げられた。討論会ではどの問題でも、各候補者それほど大きな政策の違いはなかった。
その中で目立ったのは、ダグ・フォード氏とクリスティン・エリオット氏。討論会でうまく主張できたのはこの両者で、選挙は2人の一騎打ちではないかとの声が、専門家から上がっている。2人は元議員。フォード氏は元トロント市議。2016年に病気のため急逝した弟のロブ・フォード元トロント市長と共に、市の経済を立て直した実績を訴えた。
エリオット氏は元オンタリオ州議員。前回の党首選でパトリック・ブラウン前党首に敗れて政界を引退したものの、今回再び立候補。討論会では元政治家だけあって堂々とした質疑応答への対応が印象的だった。
一方で、キャロライン・マルルーニー氏とターニャ・アレン氏は政治未経験。特に、ブライアン・マルルーニー元首相を父に持つマルルーニー氏へのサポーターの期待は大きいが、討論会では終始、政治家らしくない受け答えに不安な印象を残した。専門家はフォード氏が一歩リードしているとみている。
オンタリオ州PCはブラウン前党首が、女性2人への性的不適切行為がテレビインタビューで明らかになり、党首を辞任。党首選が始まった。しかし、先々週になってブラウン氏が党首選に立候補すると発表。党もそれを承認したが、先週に党首選から撤退することを表明した。
党首選は3月10日に結果が発表される。党は自由党政権打倒に向け、キャサリーン・ウィン州首相に勝てる候補の選出が急務との意見で一致している。
オンタリオ州では今年6月7日に州議会議員選挙が行われる。