2018年1月11日 第2号

 オンタリオ州トロント・ピアソン空港で5日午後6時過ぎ、駐機場の近辺で移動中の旅客機2機が接触する事故が発生した。片方は乗客・乗員が降りた後で無人だったが火災が発生、もう片方の旅客機の乗客らが脱出用シューターで脱出する騒ぎとなった。また、この時の脱出誘導が適切ではなかったのではないかとの指摘があり、交通安全委員会が調査に乗り出している。

 接触したのは、メキシコ・カンクンから到着し、到着ゲートに向かっていたウェストジェット2425便と、逆にゲートからトーイングカーに押されてバックしていた、サンウィング・エアラインズの機体。ウェストジェット機には6人の乗員のほか、乗客168人が搭乗していた。そのうちの一人によると、予定時刻よりも早くピアソン空港に着陸した同機は、到着ゲートが空くのをしばらく待ってから、ゲートに向けて移動を開始したという。しかし間もなくして大きな衝撃を感じ、窓の外を見ると翼端あたりから炎が上がるのが見え、続いて煙のにおいがしたと取材に語っている。

 出火元は、サンウィング機の尾部にある補助用エンジンだったが、ウェストジェット機内は騒然とし、乗員の誘導が聞き取りにくい状態になったと、この乗客は話している。しかしそれ以前に、乗員の誘導は正しかったのだろうかと、彼は疑問を投げかけている。「すぐ外には火が迫っているにもかかわらず、キャビンアテンダントは『座席を離れないで』を繰り返すばかりだった。私は妻に向かって『冗談じゃない、さっさとここから逃げなきゃ』と伝えた」と取材に語り、また燃料タンクがある翼のそばの火災という、いわば緊急事態にもかかわらずパイロットからのアナウンスは何もなかったと付け加えている。

 メディアによると、この件についての質問にウェストジェットからの回答は得られなかったという。またカナダ交通安全委員会は、この時の脱出手順について調査すると語っていた。

 

 

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