2017年10月5日 第40号
ブリティッシュ・コロンビア州ジョン・ホーガン州首相は、世界最大規模の通販サイトを運営するアメリカのアマゾン社の北米第2本社の誘致に本格的に乗り出すことを9月29日、示唆した。
アメリカ・ワシントン州シアトルに本社を置くアマゾン社は9月、北米で第2本社の設立を発表。アメリカとカナダで各都市が誘致に乗り出している。
アマゾン社によると、第2本社の建設に50億ドル、社員数は約5万人、社員の年間平均所得は約10万アメリカドルを予定しているという。
巨大企業の第2本社設立にカナダでは、オンタリオ州トロント、オタワ、ケベック州モントリオール、ノバスコシア州ハリファックス、マニトバ州ウィニペグ、アルバータ州カルガリー、エドモントンが、アメリカではマサチューセッツ州ボストンが興味を示している。
ここにBC州も参戦する構えで、ホーガン州首相はすでに担当大臣も任命し動き出しているという。
バンクーバー市でも招致の動きがあり、バンクーバー・エコノミック・コミッション(VEC)が推進している。しかしバンクーバー市議の中には問題を指摘する声もある。エイドリアン・カー議員は9月20日のCBCの取材で、5万人もの社員がバンクーバーで生活するとなると、今でさえ不足している住宅の事情がさらに悪化すると指摘。19日には市議会で懸念を示したと語った。
本社のあるシアトルでは、住宅高騰や交通事情の悪化が指摘されている。ビジネス界では歓迎する声が大きいが、一方で懸念する声も聞こえている。