2017年9月21日 第38号
オンタリオ州オタワで、突然心停止に陥った乳児を車で通りがかった人たちが協力して蘇生術を施し、その一命をとりとめた。
心停止に陥ったのは生後8週間の乳児で、親が運転している車の中でのことだった。彼らはすぐさま道端に停車して911番通報、電話ごしの救急隊員の指示に従って心肺蘇生術を始めた。
ちょうどその時現場を通りかかったジェラルディーナ・カバルゴさんは、車の窓越しに頭が垂れた乳児が目に入り、直感的にブレーキをかけ道ばたに停車、両親に代わって心肺蘇生術を続けた。乳児はその時、すっかり血の気が失せて紫色だったと語るカバルゴさんの職業は、ケアワーカー。大きな声で呼びかけながら蘇生術を続けて間もなく、乳児が反応するようになったという。
また行政取締官のデビッド・マッカビーさんも、同様に現場で車を止めた。副業で心肺蘇生術の講師をしているマッカビーさんは、乳児をエアコンの利いた涼しい車内に移し、乳児のバイタルサインをモニターし続けた。
その間にも車を止め駆け寄ってくる人が増え、そのうちの一人は2ブロック先にある消防署まで走り、署員に急を知らせた。署員はすぐさま装備を整え現場に急行、救急隊員が到着するまで酸素吸入を行った。
救急隊員は乳児を東オンタリオ小児病院に搬送、集まった人々のチームワークによる素早い救命措置が、乳児の命を救ったと取材に語っていた。病院にいる乳児の状態は落ち着いているという。
カバルゴさんは、乳児が退院したら再び会いたいと取材に語り、また両親も我が子の命を救ってくれた人たちに会うことを望んでいるという。